【建設業】キープランについて 

近年は技能実習制度を活用して外国人技能実習生を受け入れる企業が非常に増えてきました。

言葉や文化の違う人たちに対してリーダーシップを発揮することは非常に難しいことです。

経験年数が浅い外国人技能実習生に対して適切にコミュニケーションが取れなければ一人当たりの生産性が上がりません。

結果として工事の粗利率が伸びにくい状況に陥ってしまいます。

鉄筋業者等の躯体業者にとって、キープランはこの問題を解消する非常に良い手段になります。

わかりやすいキープランとは何かを理解することで実際の工事に役立てていきましょう。

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キープランについて

まずはキープランについて理解していきましょう。

キープランとは詳細図のこと

キープランとは図面の詳細図を指します。

キープランの直訳は「手がかり(カギ)となる平面」となります。

各通りのどの位置にどの種類の梁や柱が設置されるのかを詳細に示したものがキープランです。

建築の場合、図面にもたくさんの種類があります。

鉄筋工事や型枠工事業者が主に使用するのは構造図で、電機や設備業者主に使用するのは意匠図になります。

構造図、意匠図それぞれにキープランが用意されています。

施工管理者が作成するキープランと、専門工事業者が作成するキープランの2種類がある

一般的には、キープランとは「元請け業者が作成する詳細図」のことを指します。

キープランには主に2種類あり、元請け業者が作成するものと専門工事業者が作成するものの2種類があります。

元請けの施工管理者が作成するキープランは、全体を俯瞰したものであり、専門工事業者が作成するキープランはより細かな部材の詳細図を記したものになります。

2種類のキープラン

1.元請けの施工管理者が作成するキープラン
2.専門工事業者が作成するキープラン

詳細度は専門工事業者のキープランの方が高い

施工管理者が作成するキープラン

少しわかりにくいので、具体的に見ていきましょう。

まずは専門工事業者が作成するキープランはどのようなものでしょうか?

施工管理者が作成するキープランの例

画像は、構造図のキープランの例です。

キープランの建築図面には必ず「KEY PLAN」と表記がされています。

このキープランでは、図面が4等分されて4枚の図面で構成されています。

「右上・右下・左下・左上」合計で4枚の図面になる訳ですが、1枚だけを見ても、その1枚が右上なのか?左下なのか?分かりません。

キープランは「この図面は右上か」「この図面は左下か」と図面がどこを示しているのか明示しています。

凡例を見てキープランを理解しよう

構造図のキープランの凡例には「基礎記号」や「スラブ記号」「梁記号」の記号が明記されています。

慣れないうちは、記号の意味がすぐ理解できないと思いますが、凡例をしっかり見て記号の意味を理解していきましょう。

ベースに関しては
基礎記号はF4B、ベース高さはH=600mm、基礎下端の高さは1FL-2350mmと分かります。

大梁に関しては
梁記号はFG1、梁幅は400mm、梁天端である構造天端は1FL-850mm、梁せいは1000mmであり、せいが850の上フカシがついているとわかります。

専門工事業者のキープランについて

続いて、専門工事業者のキープランについて見ていきましょう。

専門工事業者は元請けの施工管理者が作成したキープランを使用して、より細かな部材のキープランを作成します。

このキープランをいかに分かりやすく仕上げるかが、施工の生産性を大きく左右します。

構造図のキープランから鉄筋工事のキープランを作る

鉄筋工事業で使用する建築図面は、主に構造図を使用します。

構造図のキープランを元請けの施工管理者から入手して施工計画書を作成することになります。

施工計画書の種類は大きく分けて、基礎エース、ベース柱、梁、スラブの4種類です。

各施工計画書に共通のポイントは誰が見てもわかりやすいことです。

たとえ経験年数が1ヶ月の外国人実習生であっても施工計画書を見れば作業の手順を理解することができ、且つ自立して作業できることが理想的です。

ポイント

専門工事業者のキープランは、施工生産性向上を目的としたもの

基礎エースの施工計画書を書いてみよう

鉄筋工事で一番最初に必要になる施工計画書は基礎エース計画書です。

ここでは基礎エースの施工計画書を例として説明していきます。

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基礎エースの施工に必要なものは以下の通りです。

基礎エース計画書に必要なもの

・カンザシ筋
・基礎エース本体
・ガスネイラー
・ラチェットレンチ
・(梁上筋の下端のレベル)

梁上筋の下端のレベルに関しては、元請け建設会社の管理の分野なので元請け建設会社が行います。

元請け建設会社と共同でレベルを出していくこともあります。

カンザシ筋はどこで使うのか?基礎エースはどこに運べばいいのか?キープランにわかりやすく記入し、現場での施工性を向上させましょう。

運び終えた個所や施工を完了した箇所にはチェックを記入していきましょう。

重複した箇所への運搬などの二度手間が省けて良いです。

基礎エースの種類が多い場合は、次の図のように図面に色分けしておくととても分かりやすいです。

ただ単に丁寧に書くことが良いことではありません。

当然その現場に関係するメンバーのレベルに合わせて作成したほうがベターです。

メンバー1人1人が完璧に図面を理解し、作業手順を把握していれば極論施工計画書は必要ないわけです。

施工計画書作成のポイント

現場に係るメンバーのレベルに応じて詳細度を決めて作成する

外国人実習生が多くいるような場合は、色分けをしたりしてできるだけわかりやすくする工夫が必要

まとめ

この記事では、施工管理者と専門工事業者の2種類のキープランについて説明しました。

専門工事業者にとっては、経験の浅い外国人実習生の生産性を向上させるキープランが必要になります。

実際に施工するメンバーの経験や知識レベルに合わせてどのようなキープランを作成すれば現場の効率が良くなるのかを考えながら作成していきましょう。

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