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建設業界におけるAI導入事例を紹介

人材不足が深刻な課題である日本ではデジタルトランスフォーメーション、つまりITの力で人材不足を解消することが必要不可欠になっています。建設業のうち、特に弊社のような専門工事業者では人材不足がかなり深刻化しており、人材確保が喫緊の課題です。この記事では弊社のような建設業の中小企業でのAI導入事例を紹介します。この記事がきっかけで建設DXがもっと世の中に広まってもらえると幸いです。

AIについて

なぜデジタルトランスフォーメーションDXが必要なのか?


冒頭でも申し上げましたが、建設業界では人材不足が深刻化しています。特に専門工事業者の「職人」の高齢化が深刻で、10年後には50万~100万人の人材不足が発生すると国土交通省が試算しています。人材不足を解消するには一人当たりの生産性を向上させるか、もしくは外国人人材に頼るしか現状は方法がありません。外国人人材は最長で5年で母国へ帰国してしまうので、長期的な対策には不向きなのが現状です。
デジタルトランスフォーメーションとは、ITの力で一人一人の生産性を向上させる対策ということになります。その中で有効なのがAI(人工知能)です。

AIの4つのレベル分け

AIには4つのレベルが存在します。一番レベルが低いのは「定型業務の自動化」です。普段の業務を見直した際に、単純作業なのに非常に時間がかかる業務が必ずあるはずです。例えばパン屋さんの例でいえば、どのパンがいくらなのかを判断する作業などです。このように、普段の作業を見直したときに、単純作業があればAIが導入できる可能性があります。

実際の例を紹介

以前弊社で作成した鉄筋本数カウントAIは、「鉄筋の本数を数える」という定型業務を自動化した例で、レベルとしては一番簡単な例になります。

AIによる部資材(鉄筋)の個数カウントについて課題から開発手順まで解説!

難易度と費用

レベル1であれば費用は5万~15万円で整備することができます。
自社開発であればGPU搭載のパソコンが必須になりますが、高性能のパソコンも今は非常に安価で用意することができます。以下のサイトを参照にしてはいかがでしょうか。

鉄筋工事業の例

この他にもAIを導入できそうな作業はあるかどうか検討してみます。
鉄筋工事業の作業プロセスは大まかに以下の通りです。考慮対象にしているのは職人の仕事のみです。適正在庫の把握、在庫管理に合わせた自動発注などは他業界では結構当たり前になってきましたが、サプライチェーンに関する作業は一旦置いておくことにします。

加工工程での作業について

加工場での作業は、機械化が進んでいます。高性能な機械が材料径や本数を適切に判断してくれます。ただし、高性能な機械は高額なので費用対効果を考える必要があるでしょう。
材料径の選別ミスの防止案は次のような対策が考えられます。

材料径の選別ミスの防止案

・絵符の材料径の部分を色分け
・ヤードを径ごとに分ける
・ハンコ等のダブルチェック

人間が目視で材料径を判断するという作業は非常に単純なので、AI導入が進みそうです。しかしながら、わざわざAIを導入しなくても上記のような対策をとればミスは軽減できそうです。

曲げ加工のミスの防止策は次のような対策が考えられます。
一般的なミスは、加工角度のミスが多いと思います。角度が適切に加工されていないと現場で余分な作業が増えてしまい、工事の粗利益にも影響を与えます。

曲げ加工ミスの防止案

・角度を測る治具を用意する
・ダイヤル式の加工機等の高精度な加工機を導入する
・ハンコ等のダブルチェック
・鉄筋加工に優先度をつけ、1°ほど角度を強くする

曲げ加工のミス防止策としては、最先端の加工機を導入することで対応する企業が多いようです。
鉄筋の本数カウントAIのように、90度を写真で判定する方法もありかと思いますが、手間がかかり非効率です。

出荷に関しては、単純そうに見えますが、熟練技能者と若手技能者とで大きな差が出ます。遠方の工事現場への出荷であれば、出荷忘れがあると余計な経費がかかってしまうので、工事成績に大きな影響を及ぼします。

出荷ミスの防止案

・出力した加工帳をチェックする
・絵符に印刷したQRコードで出荷物の確認

鉄筋の加工部材は様々な形をしています。生材のみであれば大型車にスムーズに積み込みを行うことができます。
しかしながら、片アンカーやスターラップ、両アンカーなどの様々な形の部材を大型車に積み込む際はテクニックが必要になります。
大型運搬車の最大積載重量に対して60%しか積み込めていないと40%分の運搬費を損することになるからです。また、玉掛をスムーズに行えるように積み込むことも非常に重要です。
このように、出荷作業は単純そうに見えて意外と複雑な作業を含んでいます。AIを導入できそうな単純作業は無さそうです。

工事現場における作業について

実際の工事現場では、リーダーシップが非常に重要になります。
人材不足が深刻な現在では、ベトナムやミャンマー、モンゴルといった海外からの技能実習生に対してもリーダーシップを発揮することが必要です。言葉も文化も異なる相手に対してコミュニケーションをとり、効率的な行動をとらせることはとても難しいことです。
では、工事現場へのAI導入は不可能でしょうか?まずは作業を洗い出してみます。S造基礎の鉄筋工事の場合です。

人員を経験が豊富な職長等のマネージャークラス(Mクラス)とその他のメンバーで分けて考えてみます。Mクラスは、建設会社から提供された構造図を元にキープランと呼ばれる施工図の作成を行います。キープランの作成方法には正解はなく、実際に作業するメンバーに応じて仕上げます。
例えば、作業するメンバーが全員Mクラスレベルであり、各々が配筋手順や配筋部材の位置、配筋検査での対応TIPS等を完璧に把握しているようであればキープランは全く必要ありません。
しかし、実際はMクラス1人に対して複数のメンバーが指示待ちでぶら下がる状況がほとんどかと思います。メンバーが外国人実習生の場合、実習生でも可能な作業に対してキープランを丁寧にわかりやすく作成すれば生産性がアップしそうです。

施工図(キープラン)作成作業について

S造基礎の場合、施工図は大きく4種類あります。基礎エース、ベース柱、梁、スラブの4種類です。
梁やスラブの場合は段取りが複雑で難易度が高いですが、基礎エースやベース柱であれば実習生であっても作業ができそうです。ダブルチェックを徹底すればさほど全体の工程に大きなインパクトを与えることもないでしょう。基礎エース計画書、ベース柱計画書の作成作業であればAI導入ができそうです。

まとめ

施工図作成作業は一部AI導入可能性があるかもしれません。打合せ、組立、納品に関しては作業が複雑すぎるため、AIを導入することはほぼできないと考えます。これらの作業に関してはAIというよりはユニット化・機械化の方が良いかもしれません。今後は、今後は構造図面の読み取り→基礎エース、ベース柱の施工計画書の自動作成の実装に取り組んでみたいと思います。

【建築業界初心者必見】基礎エースってなに?実際の使用されている写真とともに解説!

この記事が今後AIを活用したい企業や、AIを実際に導入してみたいけどどこから手を付けてよいのかわからない企業の参考になれば幸いです。
お問い合わせは以下のリンクからどうぞ

https://itoishoukai.com/contact/

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