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スラブの基本知識と配筋方法について

スラブは構造体の重要構造部材です。

この記事では、まずスラブの基礎的な知識を説明し、具体的なRC造のスラブの鉄筋工事について解説しています。

スラブとは?

そもそもスラブとはどのような構造でしょうか?

googleで検索してみると、「スラブとは床のこと」と示されていますが、これは間違いです。

床には使用される部材によって多くの種類があります。木で作られたものもありますし、プラスチックで作られたものもあるでしょう。

そのすべての床をスラブといえるかというと、そうではありません。

スラブとは一体式構造における床構造のこと

建物の上部構造(基礎よりも上の部分)にはいろいろな種類があります。木質構造、鉄筋コンクリート構造(RC造)、鋼構造(S造)、鉄骨鉄筋コンクリート構造(SRC造)、れんが造、石造などです。

構造の種類によって使用材料や施工方法や構造形式は異なり、特にRC造やSRC造のように、現場で型枠を組み、コンクリートを流し込んで構造体を作る方法は、一体式構造と呼ばれています。

一体式構造の場合、床部材に発生した鉛直荷重は床、梁、柱と順々に伝達されていきます。

スラブとは、このような一体式構造において、地震発生の際にその水平力を他の主要部材(梁・柱・耐力壁)に伝搬させる構造部材を指します。

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スラブの主筋、配力筋

スラブは、一般的には四辺を梁などで固定されている状態になります。

正方形のスラブの場合、鉛直荷重が発生すれば、一様に荷重が伝達されますが、長方形などの場合は、短いスパン方向に多くの荷重が伝達されます。

短いスパン方向に設置される鉄筋を主筋、これと直角に設置される鉄筋を配力筋といいます。

建築基準法では、スラブの厚さは8cm以上、鉄筋の間隔は短辺方向で20cm以下、長辺方向で30cm以下且つスラブの厚さの3倍以下と定義されています。

ポイント

・スラブとは一体式構造における床構造のこと
・短いスパン方向に設置される鉄筋を主筋、これと直角に設置される鉄筋を配力筋

スラブの種類について

スラブの基本知識が理解できたところで、スラブの種類について見ていきましょう。

地盤に面したスラブは土間スラブ


基礎梁に囲まれたスラブのうち、埋め戻された地盤の上に設置されるスラブを土間スラブといいます。

水位の影響で、ピット下部にピット土間スラブが必要になる場合もある

水位が高いために、止水目的としてピット下に土間スラブが設けられることがあります。

このような土間を一般的に「ピット土間」といいます。

デッキプレートの上のスラブはデッキスラブ


日鉄建材株式会社

デッキプレートの上に設置されるスラブをデッキスラブまたはデッキ合成スラブといいます。

一般的に、デッキスラブと鉄骨梁との接合は、頭付きスタッドボルトを使用して行われています。l

片持ちのスラブもある

スラブが片持ち構造の場合もあります。このような場合、片持ちスラブまたはキャンティー(英語: cantilever)スラブといいます。

スラブの鉄筋工事について


ここからは、スラブの鉄筋工事について具体的に見ていきましょう。

スラブと梁を一体式構造にする配筋について

スラブの配筋は、他の主要部材(梁・柱・耐力壁)と一体化する必要があり、その為に必要な「定着長さ」を確保する必要があります。

具体的にどのようにスラブと他の主要部材と一体化させるのか見ていきましょう。

建築でも土木でも無視できない!鉄筋工事における定着長さについて詳しく解説

梁のフカシ筋・差し筋

ここでは一般的な梁との一体化構造について見ていきます。

梁とスラブを一体化させるには、梁の上に(ピット土間であれば下に)フカシを設けます。

フカシと差し筋に適切に定着長さを確保することで、スラブと梁の別々の構造部材を一体化させることができます。

鉄筋数量の拾い出し

別々の部材を一体化させる配筋方法に注意しつつ、使用する鉄筋数量の拾い出しを行います。

スラブの鉄筋数量の検算方法

鉄筋工事の専門業者であれば、専用の積算ソフトを使用することで詳細な鉄筋数量を拾い出すことが可能です。

しかしながら、その他の施工管理会社ではなかなかそのようなソフトを用意することはできません。

そこで、スラブの鉄筋数量の簡単な算出方法をご紹介します。

D10の場合

上記のような配筋の場合を仮に設定します。

必要面積は10m*10m=100㎡です。

@200の場合、単位㎡鉄筋数量はタテヨコ5本ずつなので、合計10本です。

D10の単位重量は0.56(kg/m)です。

これらを計算式に当てはめると616(kg)だとわかります。

実際に、専用の積算ソフトで計算した鉄筋数量は600(kg)です。正確とは言えませんが、鉄筋数量の検算程度には使用することができるでしょう。

D13の場合

D13@200ダブル配筋の場合で試してみましょう。

D13の単位重量は0.995(kg/m)です。

これらを計算式に当てはめると2189(kg)だとわかります。

実際に、専用の積算ソフトで計算した鉄筋数量は2232(kg)です。

補強筋や差し筋、ウマ筋、定着長の影響で、実際に使用する鉄筋は、検算して算出した鉄筋数量より多くなります。

D16以降の鉄筋も同様に計算できます。

ワイヤーメッシュの数量の検算方法

同様に、ワイヤーメッシュの枚数の検算方法も見てみましょう。

計算方法は以下の通りです。

具体例

段取り筋は5500mmを使用して@チョークを出す

@200など決められたピッチ(間隔)に従って配筋するためには段取り筋を用意する必要があります。

様々な方法がありますが、段取り筋には5500mmの定尺材を使用することが一般的です。

具体的な方法は以下の通りです。

上記の赤色が段取り筋です。段取り筋は、5500mmの鉄筋に「チョーク出し」を施して作成します。

5500mmの段取り筋は、端部を100mmとして@200間隔で印をつけていきます。

端部の重ね継手長さが600mmになるように、段取り筋を反転させて赤色のように長いスパンの段取り筋を作成します。

6000mmや6500mmを使用して段取り筋を作成してももちろんOKですが、鉄筋は重量物なので、工事現場の状況や工事環境に合わせて使用する段取り筋を決定することが重要です。

段取り筋をD13の7000mmとして使用して計画した場合、10本束だと約70kgです。70kgの材料を1日中何回も手運びできるでしょうか?

さらに7000mmだと鉄筋がしなって非常に運びにくくなります。このような計画は非常に不効率と言わざるを得ません。

ポイント

重ね継手長に注意しよう

ここで重要なのは重ね継手長です。D13の場合は45d(585mm)を確保します。

5500mmの段取り筋を使用する場合、@200であれば、間隔を3つ重ねることで600mmの重ね継手長さを確保することができるので、基準の585mmをクリアすることができます。

端部を50mmにした場合、段取り筋を反転させる手間がなくなりますが、間隔を3つ重ねると700mmの重ね継手長になってしまうので、余長が115mmも発生してしまいます。

段取り筋は@200の配筋間隔であれば5500mm(端部を100mmとする)や6000mmを使用することが一般的です。

まとめ

本記事では、スラブの基本的な知識を解説したうえで、スラブ配筋に使用される鉄筋材料の具体的な拾い出し方法を見ていきました。

現場管理の参考にしてください。

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