横浜国立大学理工学部建築都市環境系学科卒
一級鉄筋技能士
作業手袋は建設現場で働く人には必須な道具です。
手袋は廉価なものだとすぐにだめになってしまったり、手が傷んでしまったりと、意外にも作業性に大きく影響します。
長年現場で働く方が使用するものは現場作業での効率性や作業性が良いものを熟知しています。
この記事では、熟練の職人さんたちが良く使用する皮手袋(カワテ)とゴム手袋(ゴムテ)をご紹介します。
目次
作業用手袋について
作業手袋はいろいろな種類があります。
- 通気性・透湿性・防水性
- 指先の感覚を重視
- 安全性が高く切れにくい
- 滑りにくい加工がされている
行う作業に機能が合っていることが大切なため、下記にて作業ごとに適した作業手袋をご紹介します。
土木作業なら通気性・透湿性・防水性を重視
コンクリートやセメントは直接触れると皮膚が荒れてしまいます。
また、水気があるので防水性のない作業手袋ではすぐに濡れてしまい手が蒸れるのも問題です。
コンクリートやセメント、アスファルトなどを扱う土木作業は通気性や透湿性、防水性を重視した作業手袋を選ぶのがおすすめです。
内装・木作業なら指先の感覚を重視
内装業や木工事は、作業手袋をしていても緻密な作業を行えることが重視されます。
こういった仕事に合う作業手袋は指先の感覚がわかり薄手になっているものがおすすめです。
また、木材やビスなどいろいろ手にすることが多いので、すぐに破けない耐久性も必要になります。
細かい作業を行うのなら指先が細くて指股が浮かないフィット感のある作業手袋がいいでしょう。
鋭利な工具を使う作業は切れにくい素材を重視
建設作業ではカッターや電工ナイフなど鋭利な道具を使用する場面も多くあります。
手を怪我してしまう恐れがある作業では簡単には切れない加工がされている作業手袋がいいでしょう。
切れにくい作業手袋は特殊な繊維を採用して安全性が高くなっています。
さらに作業性が良くなるように柔軟性や指先の感覚を活かす設計を採用しています。
運搬・取り付け作業は滑りにくい素材を重視
運搬や取り付け作業は資材の持ち運びがメインのため、滑りにくい加工がされた作業手袋が適しています。
また、構造用合板や石膏ボードなど角が鋭利となっていますので、手を保護する耐切創性も作業手袋に求められます。
運搬などの仕事をする方は滑りにくいグリップ感と手を怪我させない耐切創性のある作業手袋を選ぶことが大事です。
作業手袋をシチュエーション別に所有するのがおすすめ
建設現場ではどんな場面にも備えられるように複数の作業手袋を持っていると、用途に合わせて使い分けできるので便利です。
基礎工事の時は通気性と防水性の作業手袋を使い、資材を搬入する時は滑り止め加工がされた作業手袋を使うなど作業に合わせた使い方をすると作業効率も上がります。
作業手袋を使い分けすることで作業性も向上し、安全性なども確保できますので、複数の作業に当たる方は用途に合わせた作業手袋を用意しておくといいでしょう。
皮手袋(カワテ)かゴム手袋(ゴムテ)か
では、熟練の鉄筋工がおすすめする手袋を紹介していきます。
職人さんが使用する手袋は、皮手袋(カワテ)かゴム手袋(ゴムテ)の2種類があります。
どちらを主に使用するかは好みですが、それぞれ独特の使いやすさがあります。
おすすめの皮手袋(カワテ) 人工皮革カワテック
画像引用:人工皮革カワテック 外縫い AG6430 – 小野商事株式会社
皮手袋でおすすめなのは「人工皮革カワテック」です。
一般的な皮手袋は硬くて使いにくいものが多いです。
特に、鉄筋は重量物で、手にマメができてしまったり、皮が硬すぎて慣れるまでに時間がかかったり、通気性が良くないものが多いので、皮手袋を使用していると暑くて長時間付けていられなかったりします。
しかし、「人工皮革カワテック」は柔らかく、重量物を扱って作業をしていても掌が痛くなりませんし、丈が短いので着脱しやすく通気性も良いです。
おすすめのゴム手袋(ゴムテ) 組立グリップ
ゴム手袋でおすすめなのは「組立グリップ」です。
ゴム手袋の良さはフィット感や通気性でしょう。
上記で紹介したカワテックも通気性は良いのですが、ゴム手袋の方が圧倒的に通気性が良く、ゴム手袋の方が手に密着するのが細物や小さいものを正確につかむことができます。
もちろん、継続して使用すればすぐに劣化して破れてしまいますが、皮手袋と比較してゴム手袋の方が安価ですし、水洗いも簡単なので使いやすいです。
「組立グリップ」はコンビニエンスストアでも購入できますし、比較的丈夫で値段も手ごろなのでおすすめです。
雨の日は使い捨てポリエチレン手袋を併用する
雨の日には上記の手袋と使い捨てのポリエチレン手袋を併用して使用します。
鉄のサビや泥で手袋が汚れてしまうのは日常茶飯事ですが、使い捨ての手袋を併用することでできるだけ快適に作業するようにしましょう。
まとめ
建設現場で働く人にとって作業手袋は必須の道具です。
作業手袋一つとっても色々な種類があって特徴も違います。
作業手袋を選ぶ時は自分がどんな作業を行うかを前提に考えて、作業に適した製品を選ぶことです。
何もわからない状態で見た目だけで選んでしまうと失敗する恐れもあるので注意しましょう。