横浜国立大学理工学部建築都市環境系学科卒
一級鉄筋技能士
建設現場で働く人は必ず作業服を着て仕事を行います。
作業服は作業の身体を保護するためだけでなく、事故を防ぐ安全性にもつながります。
建設現場で働く人たちは毎日着る作業服だからこそ、自分にあったものを選びたいと考えています。
作業服はいろいろな種類があり、機能性も様々です。
そこで、今回は建設現場で働く人に向けて、作業服の選び方とおすすめの作業服をご紹介していきます。
目次
建設現場の作業服に求められること
建設現場は電動工具での加工や、コンクリートの打設、鉄骨の溶接など一日中ハードな環境となります。
肉体を駆使して働く人たちにとって必ず着用するのが作業服。
建設現場は危険な作業もありますので、まず求められるのが「作業服を着ても動きやすい」ということです。
また、ハードな環境でも耐えられる「耐久性」、何度洗濯しても形崩れを起こさない「形態安定性」、汗をかいても不快に感じない「通気性」と「吸水性」「防汚性」の機能が建設現場の作業服に必要です。
以下に建設現場の作業服に求められる機能をまとめましたので、チェックしておきましょう。
- 動きやすさ
- 耐久性
- 形態安定性
- 通気性
- 吸水性
- 防汚性
大前提:自分のサイズに合ったものを選ぶこと
作業服なのに作業性を落とす服では問題があります。
作業服の動きやすさを重視するには、まず自分のサイズに合ったものを選ぶことが大前提です。
自分の体に合わないサイズを選んでしまうと作業効率は下がりますので注意しましょう。
作業服のサイズは「ヌード寸法」と「仕上がり寸法」があります。
「ヌード寸法」は作業服を着用する人の身体のサイズです。
「ヌード寸法」の表記は「対応サイズ」「適応寸法」「適応身長」となります。
作業服を選ぶ際は、自分の身体のサイズ(身長、バスト、ウエスト)を測り、作業服の適応サイズに合うものを選びましょう。
「仕上がり寸法」は作業服の実寸サイズとなります。
表記は「製品実寸」「上がり寸」と表されています。胸囲、肩幅、袖丈、腰囲など細かく表記されている場合もありますが、基本的にはSサイズ、Mサイズ、Lサイズのように大まかに分類されているのがほとんどです。
仕上がり寸法の作業服を選ぶ際は、分類されているサイズの寸法を確認して、自分の身体に合うか調べる必要があります。
動きやすいサイズは、ヌード寸法よりもゆとりのあるくらいのサイズです。
作業服の中にはストレッチ性のあるものもあります。
生地が厚く頑丈に作られていてもストレッチ性が損ない動きにくいと感じる作業服もあるため、自分の身体に合うサイズがわからない場合は、実店舗で試着してから購入した方が間違いはないでしょう。
作業服の種類と選ぶ際のポイント
建設現場で選ばれる代表的な作業服はカーゴパンツ、ツナギ、シャツです。
選ばれやすい作業服ですので、建設現場で着用する際はどんなポイントを重視した方がいいかご紹介して行きます。
カーゴパンツはストレッチ性と通気性を重視して選ぶ
カーゴパンツはストレッチ素材を使用し、動きやすく丈夫な作業服です。
作業性に適していながらも低価格で購入することができるため人気があり、建設現場によく選ばれます。ストレッチ素材は伸縮性があり、足を上げても引っかかりがありません。
そのため運動性のある作業や各作業場への移動が激しい現場監督の方にもカーゴパンツはおすすめです。
素材がポリエステルなら綿100%と比べて乾きやすいです。生地の蒸れは不快を感じやすいため、作業効率を落とします。
その点カーゴパンツは汗のかきやすい夏場でも通気性がよくてベタベタした感覚がありません。
ツナギは視認性を重視して選ぶ
ツナギとは上衣とズボンが繋がっている作業服です。頑丈なつくりとなっていて、ハードな建設現場でもよく用いられます。
ファンション性も高く、ゆったりとしたつくりのため動きやすい特徴もあります。ツナギは上下が一体となっているため、ウエスト部分からホコリや汚れが入ってくることはありません。
ツナギのカラーバリエーションは豊富にあり、明るい色のものも揃っています。
一見派手と感じるかもしれませんが、照明が不十分な現場の場合、明るい色のツナギは視認性を高め安全性を高めてくれます。
一緒に働く仲間の判別がしやすくなり、作業を滞らせることなく安全に作業することができます。
屋内の作業など照明が不十分な現場もあるため、チームを組んで作業する方には視認性の高い色を選べるツナギがおすすめです。
シャツは吸汗性・速乾性・吸湿性の高いものを重視して選ぶ
シャツは半袖タイプと長袖タイプがあり、インナーとしても活用します。
春夏秋冬とオールシーズンで着られるため、作業服として使用頻度が高くなっています。
建設現場は常に動いて作業を行いますから、汗をよくかきます。
特に夏場は非常に汗をかきやすいので吸汗性と速乾性のあるものを選ぶのがおすすめです。
汗でベタつくと不快感が増し、作業効率にも影響が出ます。吸汗性と速乾性の他に吸湿性もあるとさらに着心地が良くなります。
吸湿性があることで、汗の蒸れを防ぎ、爽やかな肌触りを維持してくれます。
おすすめの作業服8選
作業服はいろいろなメーカーが販売しております。
種類がたくさんあってどれを選んでいいか迷ってしまうという方に向けて、ここではおすすめのメーカーと作業服をご紹介していきます。
BURTLE(バートル):7051 JACKET
BURTLEは機能性とデザイン性を兼ね備えたスタイリッシュな作業服を販売する人気ブランドです。
「7051JACKET」はハードな動きに対応する快適なストレッチ素材を採用し、伸縮性に優れています。
これまでの作業着の印象を一新するやや細身のシルエット、普段着の着用も可能なかっこいい作業服です。
作業時にも便利な深さ21cmの収納ポケット、胸元と袖にはペンさし、ネームホルダーが付いています。
「7051JACKET」シリーズに合わせたカーゴパンツ「7052」シリーズがありますので、上下セットでコーディネートすることもできます。
BURTLE(バートル):582 カーゴパンツ
「582カーゴパンツ」は高いデザイン性と動きやすさを重視しています。
スタイリッシュなストリート系の細身なデザインを採用し、カラーは全4色。伸縮性に優れたストレッチ素材を採用し、伸縮率は20%。ズボンウエスト両脇にはツインループを採用していますので、カラビナ(金属リングで物を引っ掛けておける道具)をかけるのに便利です。
右の収納ポケットはスマートフォンを入れられるほどの大きさがあります。
Jawin:54090空調服
Jawinは元プロ野球選手の新庄剛志さんがイメージキャラクターを務める作業服ブランドです。
ファッションに敏感な若い世代の労働者のニーズにあうように、普段着にも取り入れられるデザイン性と機能性を兼ね備えたブランドとなっています。
「54090空調服」は高所作業に適し、遮熱加工により未加工と比較して−5℃以上の効果を実現。
作業服には安全帯のランヤードの取り付け口とフックかけ、袖ペンさし、バッテリー専用の内ポケットが付いています。また、紫外線をカットする素材、生地表面は雨などの水を弾く撥水加工がされています。
jawin:56200帯電防止素材長袖ジャンパー
シンプルでスタイリッシュな作業服。こちらはジャンパーですが、インナーからパンツまで揃えられる作業服となっています。
帯電防止素材を採用し、衿裏には反射バイピング(衣類を飾る技法のこと)を施しています。
また、DEO+テープの採用により消臭&抗菌の機能性も兼ね備えています。
作業服には携帯電話を収納できる大きいサイズのポケットと左袖にペンさしが付いています。
寅一:K1型ブルゾン
作業服の品質と機能性、ファッション性を兼ね備えた商品開発・企画をする寅一の作業服は、一貫した自社責任生産を展開。
高水準のクオリティーを維持し、プロにこそ着こなして欲しい作業服をラインナップしています。
「K1型ブルゾン」はファスナー付きのポケットが付くガッチリとしたイメージの作業服です。
素材は静電防止素材を採用し(シロは静電防止素材未対応)、袖と胸元にはペンさしポケットが付き、カラーは全9色と豊富に揃えています。また、オーダーすれば特別色もつくることが可能です。
>寅一:鳶衣料NPオープン
寅一はニッカポッカなど鳶職の作業服に定評があります。
「鳶衣料NPオープン」はスマートなデザインと落ち着いたカラーリングが特徴的な鳶職用の作業服です。
生地は耐久性、イージーケア(しわになりにくい加工を施したもの)に優れたポリエステルを採用、綿を混ぜることで吸汗性を高め、肌触りの良い仕上がりとなっています。
静電防止素材のため静電気の発生を抑え安全性のある作業を行うことができます。
機能性も備えており、胸ポケット、左袖ペンさしが付いています。
大川被服株式会社Kansai uniform:K5034
引用:大川被服株式会社Kansai uniform K5034
大川被服がブランド展開する「KANSAI UNIFORM」は日本を代表するファッションデザイナーの山本寛斎さんがデザインする作業服ブランドです。
ユニフォームにも個性が欲しいというコンセプトから生まれた作業服は、どれも存在感のあるデザインとなっています。
「K5034」はカジュアルな印象のドライポロシャツです。素材表面が凹凸に仕上がっているため、肌は点接触となり汗をかいてもベタつかず、さらっとした着心地を実現します。
ポリエステル100%の素材だから、吸収速乾性にも優れています。
大川被服株式会社DAIRIKI:3170サイレントガード
引用:大川被服株式会社DAIRIKI 3170サイレントガード
こちらも大川被服がブランド展開する「DAIRIKI」は、作業性と機能性をとことん追求した大川被服メインブランドです。
ベーシックでロングセラーの多い作業服を豊富にラインナップしています。「3170サイレントガード」は反射テープ、反射糸、台衿裏蛍光配色など視認性を高めた素材を採用しています。
薄暗い現場や夜間の作業など視認性を必要とする作業服に「3170サイレントガード」は適しています。
機能性も考慮しており、袖口のポケットにペンをさすことも可能です。また、スラックスとカーゴパンツもありますので、上下あわせることができます。
まとめ
作業服は建設現場での作業効率に大きく影響します。
作業服を選ぶときに最も重要視しなければいけないのが着心地です。自分の身体に合わない誤ったサイズを選んでしまうと、動きにくく作業性を低下させてしまいます。
動きにくいということは品質にも関わるため、自分にあった作業服を選びましょう。
また、現場に求められる作業服は自分の判断だけで選ぶものではなく、同じ現場で働く仲間との連携も必要です。
現場で求められる機能性やカラーなど指定があることも考慮して、管理者に確認をとることも大切です。