横浜国立大学理工学部建築都市環境系学科卒
一級鉄筋技能士
基礎エースがあれば、梁の施工品質が格段にアップします。
今回は、建築業界の初心者でもわかりやすく、実際の写真を使いながら解説していきます。
目次
基礎エースとは?
基礎エースとは、梁の上主筋の架台のことをいいます。
一般的には、2m毎に1カ所を目安に設置していきます。
基礎エースの高さは、梁の上の主筋の下端に合わせます。
梁の本数に応じて位置を変える
基礎エースを打ち込む際に注意しなければならないのは、梁の主筋の本数によって、基礎エースを打ち込む位置を若干変える必要がある事です。
上の図のように、梁の主筋の本数は、3本だったり4本だったり梁の種類によって様々です。
主筋の本数が偶数の場合は、基礎エースは通り芯を中央にして設置します。
主筋の本数が奇数の場合は、基礎エースは通り芯からずらして設置します。
奇数の場合は、センターラインに主筋が通るため、センターに主筋が配置できるように基礎エースを配置します。
梁の根元部分は柱受けを自作して使用する
地中梁の中央部分には基礎エースを使用しますが、梁の根元部分には別の架台を使用します。
梁の根元に設置する架台を「柱受け」といいます。
カンザシ筋について
カンザシ筋は基礎エースの上部に配置し、梁の上主筋を受け持つ役割を持ちます。
カンザシ筋の鉄筋径に構造上の指定はありませんが、一般的なS造基礎の場合はD22やD25を使用するのが一般的です。
基礎梁の主筋径がD16やD19であれば、D19を用いても良いでしょう。
カンザシ筋の拾い出し
例として、図のような基礎梁の場合を考えてみます。
基礎梁幅-120
センターにチョークをすれば梁の主筋の位置もわかりやすくて良い
梁幅は400ですから、カンザシ筋の寸法は400-120=280となります。
基礎エース計画書に反映させよう
カンザシ筋の拾い出しが終了したら、基礎エース計画書を作成します。
人材不足が深刻な鉄筋業界では、若い外国人実習生に頼るしかない現状があります。
言葉ではうまくコミュニケーションが取れない場合であっても、このような計画書を丁寧に作成すれば、経験年数が浅い外国人実習生であっても自立して作業することができます。
基礎エース計画書はその例です。
基礎エースを設置する場所や使用するカンザシ筋の種類を誰でもわかりやすく明記すれば、言葉が通じない外国人実習生の労働生産性を向上させることができます。
まとめ
今回の記事では基礎エースとカンザシ筋の設置方法について紹介しました。
基礎エースは、梁の本数に応じて位置を変えることが一番のポイントです。