横浜国立大学理工学部建築都市環境系学科卒
一級鉄筋技能士
「建設業ってどれくらい稼げるんだろう?」「オリンピックで儲かってるみたいだけど、年収は増えてるのかな?」
こんな疑問にお答えします。
この記事を読むメリット
- 建設業全体の平均年収の推移がわかる
- 月給の推移がわかる
- 年齢別の年収がわかる
目次
建設業全体のお金事情
結論からいうと、建設業全体の平均年収は上がっています。
なぜかというと、オリンピックや復興需要で繁忙度が増し、工事単価が上がったからです。
具体的に言うと、
- 2015年 651万円
- 2016年 659万円
- 2017年 677万円
- 2018年 691万円
と平均年収は右肩上がりになっています。
2011年前後では年収で50万円程度、製造業の平均年収との差がありましたが、ここ数年は製造業の平均年収に追いつきました。
今後も平均年収が上がるのかというと、オリンピックに向けた工事が終わり、コロナウィルスの影響で多少下がることが予想されます。
コロナウィルスが落ち着けば、オリンピックのために延期した工事がたくさんあるので、また好景気が戻って平均年収もある程度上がるでしょう。
建設業の月給の推移
それでは、月給はどのような推移をしているのか見ていきましょう。
月給は、職別工事業が専門工事業者、総合工事業がいわゆる元請、設備業者の3つに分類しています。
月給の推移は、最新のデータが見つけられなかったのですが、平成26年までは、その年により多少の増減はありますが、おおむね変わらず横ばいです。
年収の推移が上昇傾向ですので、月給は大きく変わらず、ボーナスの金額が上がっているのでしょう。
元請の月給が一番高いのかなと思われがちですが、実は設備業者の平均月給の方が高いのは意外かもしれません。
建設業の求人での平均賃金
平均年収が上がっている一方で、建設業の求人の平均賃金をはどうなっているのか調べてみました。
図を見ると、少し古いデータですが、基本的にどの職種も上昇傾向にあることがわかります。
月給上昇の理由は、年収の上昇と同様に、復興需要やオリンピック関連の仕事増による工事単価や労務単価の上昇です。
具体的に言うと、5.9%の上昇傾向にあり、2019年度まではほぼ確実に上昇してきているでしょう。
どの職種も上昇傾向にある一方で、職種により月給が大きく違うことがわかります。
建設と土木の職業でも月給が1万円ほど変わり、躯体職や測量などの技術者は高い傾向です。
建設業の年齢別の年収
次に年齢別の年収を見てみましょう。
結論からいうと、建設業の年収は製造業の平均年収よりも低く推移しています。
なぜなら、建設業は40代で年収が高止まりしていますが、製造業の平均年収は50代でピークをむかえるからです。
具体的に言うと、建設業は40代から50代まで平均年収がほぼ一緒です。しかし、製造業の平均年収は50歳から54歳までが最高になります。
その一方で、60代以降の平均年収は建設業の方が高いです。
そのため、生涯賃金は製造業と建設業ではあまり大差はないのかもしれません。
平均年収の高い企業ランキング
ここまで建設業の平均年収の推移や月給の推移を見てきましたが、最近平均年収が高い企業はどのような企業か見ていきましょう。
1位 建設業 ショーボンドホールディングス 東京都 1341万6000円 2位 建設業 鹿島建設 東京都 1102万7792円 3位 建設業 大林組 東京都 1046万1547円 4位 建設業 大成建設 東京都 987万2883円 5位 建設業 コムシスホールディングス 東京都 981万4160円 6位 建設業 清水建設 東京都 967万3000円 7位 建設業 奥村組 大阪府 945万9730円 8位 建設業 東急建設 東京都 944万6354円 9位 建設業 明豊ファシリティワークス 東京都 928万9000円 10位 建設業 朝日工業社 東京都 905万4891円 11位 建設業 長谷工コーポレーション 東京都 904万9544円 12位 建設業 NIPPO 東京都 904万8500円 13位 建設業 ダイダン 大阪府 900万5459円 14位 建設業 大気社 東京都 894万4724円 15位 建設業 日揮 神奈川県 894万1633円 16位 建設業 大和ハウス工業 大阪府 893万7039円 17位 建設業 前田建設工業 東京都 881万9217円 18位 建設業 鉄建建設 東京都 872万787円 19位 建設業 大東建託 東京都 871万4250円 20位 建設業 住友林業 東京都 867万267円
ショーボンドやコムシスはホールディング会社なので、建設業というのは多少無理があるかもしれませんが、上位はスーパーゼネコン、大型ゼネコンで占められています。
設備業者も元請が占めており、大手の企業がのきなみ年収が高いです。
高い年収を求めるなら、大手の企業にしておくと良いでしょう。
まとめ
この記事では、「建設業ってどれくらい稼げるんだろう?」「オリンピックで儲かってるみたいだけど、年収は増えてるのかな?」といった疑問にお答えしました。
まとめると、建設業全体の平均年収は増加傾向にあり、ようやく製造業の平均年収に追いついたところです。
月給はおおむね横ばいなので、ボーナスが増えていることがわかりました。
高い年収を求めるなら、大手企業に入りましょう。