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建設業でのAI活用【現状と課題】

AIは産業だけではなく、個人の生活にも深く根付いています。生活の一部となり、気づかないうちにAIを使っている生活になってきています。

では少しずつ生活に入り込んできているAIは、建設業ではどのような活用をされているのでしょうか。

この記事では、建設業でのAI活用の目的、AI導入の現状、今後の課題についてご紹介します。

建設業でのAI活用の目的

建設業でAIを使う目的は、生産性を向上させるためです。

なぜ生産性を向上させなければいけないのかというと、理由は大きく2つあります。人材不足と施工時期が偏っていることです。

AIで建設業の深刻な人材不足を解消したい

建設業は深刻な人材不足になっています。そのため、一人当たりの売上高や出来高を上げていかないと、さばききれない量の仕事があるのです。

人材不足がどれくらいかというと、具体的には建設労働者の約34%は55歳以上であり、29歳以下は約11%に留まっています。

これから退職や廃業などで熟練の技術者が不在になることを考えると、熟練技術者のノウハウや経験を効率的に活用することが必要です。

人が少ない中でも品質の確保を確実にするために、AIやIoTの使用も効果的に取り入れていかなければなりません。

施工時期を平準化したい

国土交通省直轄工事では、繁忙期と閑散期が明確に分かれています。

施工品質の確保を目指すためには、工事が偏った時期に固まってしまうと、少ない人数で施工品質や安全管理をしなければいけないので大変です。

そのため、予算配分の際に施工ピークが偏らないように調整をし始めています。

具体的には、各地域の発注者協議会などで情報を共有しながら連携を図り、4月から6月までの閑散期との比率を埋めるべく行なっています。

とはいえ実際にはそこまで上手くいっているわけでもなく、人材不足な上に施工ピークもかぶってしまっているので、局所的な人手不足がひどいです。

そのようなスポット的な人材不足も、AIやIoTを取り入れて生産性を向上させる必要があります。

建設業でのAI活用の現状

出典:国土交通省

現在、建設業ではAI活用によって、点検作業の効率化が行われています。

具体的には、インフラの点検画像をドローンなどのロボットを使って取得したりすることで、効率化をしているのが現状です。

将来的には、AIによる判断の効率化を目指しています。

例えば、画像データからひび割れを検知し、ひび割れ幅が0.4㎜以上の時にアラートする、というようなことです。

建設業全体では上記のような現状ですが、国交省ではインフラ分野でのAI活用の流れをさらに加速すべく「AI開発支援プラットフォームの開設準備ワーキング・グループ」を設けました。

インフラ事業者が土木技術者の正しい判断による「教師データ」を国が整備・提供することで、民間や研究者が技術開発に用いるプラットフォームを作成する取り組みです。

オープンデータ化がされることで、AIが建設現場まで利活用されることを期待されています。

Ai活用の課題

建設業でのAI活用には、課題も大きく3つほどあげられます。

業務プロセスの明確化・データをちゃんと収集して活用する・技術者の育成の3つです。

業務プロセスの明確化

1つ目は業務プロセスを明確にすることです。

AIを活用することで生産性が向上させることが可能な業務がどれなのかが把握できていなければなりません。

例えば意思決定を効率化したい場合、AI活用を前提として様々なデータの収集・蓄積を行い、的確な判断ができるような情報がスピーディーに集まることで生産性の向上に寄与します。

データをちゃんと収集して活用する

2つ目はデータをちゃんと収集して活用することです。

調査や測量、設計、施工維持管理までのあらゆるプロセスにおいてデータを収集しますが、現状ではそれらのデータ管理や活用に関する技術が未確立です。

データを管理できなければ情報連携を行うことができません。各社や国交省などで技術開発や規格などを検討しています。

例えば、2次元CADで設計されている既存の建物などへのデータを、BIM/CIMを用いたデータへとどのように変換するのか、どのように利用していくかを明確にすることが必要です。

データ管理や活用がスムーズにいくことで、既存構造物の維持管理コストの削減が期待されています。

また、補修や補強などの工事における施工方法等の検討や不具合の確認に利用できるでしょう。

技術者の育成

3つ目は技術者の育成です。

生産性の向上を目指すためにはAIなどのICT技術の利用が重要ですが、現状ではICT施工などで発生している多くのデータを活用できていません。

なぜなら、データを利用することができる技術者がいないからです。

そのためデータを利用できる技術者の育成や、技術を活用するための教育システムが必要になります。

まとめ

この記事では、建設業でのAI活用の目的、AI導入の現状、今後の課題についてご紹介しました。

建設業では、AI導入は生産性を向上させることで人材不足・施工時期の偏り・悪い労働環境などを解決することが目的です。

ですが現状では、AIは作業の効率化は少しずつできてきてはいますが、判断の効率化まではできません。

なので今後は業務プロセスの明確化・データをちゃんと収集して活用する・技術者の育成の3つを解決できると、AIの導入が加速していくでしょう。

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