建設業はモラハラ地獄?キツい言葉を無自覚に選択していませんか?

「おい!何やってんだよ!使えねえなあ!さっさとやれよ!何ポケーっと突っ立ってんだよ!」

「ったく、ほんとにダメな奴だなあ!」

ふと思い直せば、毎日のようにこの言葉を聞いているような気がして、僕自身もマヒしてしまっているような気がします。

世間では明らかにモラハラ・DVにあたりますが、建設業界の職人は昔から「そう教えられてきた」方々がほとんどです。

そう教わってきて身に着けてきた技能や技術・経験こそが自身の誇りであり、そうやって、この厳しい世の中で何とかお金を稼いで生活してきたわけです。

「おれが仕事をしているから、お前らの仕事がある。その程度の仕事ぐらい自分で考えてやっておけ。おれは会社に貢献しているんだから。成果を出しているのはおれだから。だから仕事ができない人間はゴミ」

「今日、あいつどこまで仕事したか教えてあげよっか?たったここまでしかやってないwwwwほんと仕事できないやつwwww」

このような言動は、仕事ができる人ほど多い気がします。

気持ちはよくわかります。

職人気質になればなるほど、技能を身に着ければ身に着けるほど、このような「加害者」の考えに陥いる傾向にあります。

恥ずかしながら、僕自身もそうです。

そして、僕自身が、大切な家族に対してもそのような態度を取るようになってしまっていました。

この記事をご覧になっている優秀な方こそ、自分自身の見つめ直しをしてもらいたいと思います。

自分が無意識にやっていることは加害である自覚をしよう

会社の仲間と会話する際に、開口一番に誰かに対しての文句や陰口をする方は注意が必要です。

僕の周りにも、会話の中で必ず「お金の話と仕事ができない人の話」をする人がいました。

その方のトゲのある言い方を思い出すだけでも今でも苦痛です。

自分自身がそのような「加害者」になっていないか、今一度、自分の今までの言動や行動を振り返ってみましょう。

「自分に非があるとは思えない。むしろおれは被害者」

「そうは言っても、あの人は努力していないよね?努力する姿勢を見せればマシなのに、そういう姿勢も無いじゃん」

「だって、その時間があれば、この作業も十分できたはずでしょ?」

「会社のお金がかかってるんですよ?なぜ仕事ができないやつのケツを拭かなきゃいけないんですか?」

「あの会社はいいなあーー!あんなに優秀な人がいて!おれもあの会社にうつろうかな!」

….

はい。

あなたの言い分はもっともだと思います。

確かに、その方の努力が足りないのかもしれませんし、その方の行動が会社の大きな目標と少しずれたものになっていて、実際に損失を生み出しているのかもしれませんね。

これらの言葉を、辛い環境の中で、あなた自身も受けてきたのでしょう。

辛い経験を、何とか乗り越えてきて、何度も何度も怒られてきたから、過去の自分と同じような人をみると自分を重ねてしまう。

あなたは確かに頑張ってきたんです。

でも、それを他者になぜ強要するんですか?

優しく聞いてあげればいいじゃないですか?「いまどういう作業をしているんですか?何か手伝いましょうか?」って。

「いいえ。僕のやり方は間違っていない」

このようなタイプの方が建設業界に本当にたくさんいらっしゃいます。

偏見かもしれませんが、「一人親方」、「離婚されている方」、「転職を繰り返している方」、「極度にせっかちな方」にこのタイプが多いような気がしています。

このタイプに共通しているのは、「自分自身のことしか考えておらず、自分自身のことしかできない」という恐ろしい事実です。

あなたは確かにすごい人なんですよ。

しかし、「自分のいう事を聞かないのはバカだ」と考え、それを他人に押し付け、さらに感謝、崇拝まで求めることが、本当に「すごい人」がやることでしょうか?

自分の周りを見てみてください。

あなたのお願いを聞いてくれる方は何人いますか?

あなたのために動いてくれる仲間はどれだけいるのでしょう?

いつの間にか、あなただけが一人孤独になっていないでしょうか?

「ごめん、おれが悪かった」

謝ったときに、相手は戻ってきていますか?

「相手が自分を馬鹿にしているんだ」と思い込んでいますが、本当にそうでしょうか?

いつの間にか、あなたは孤独になる方法で、他人を潰す方法で、他人を見下し、他人に強要する言葉で仕事をしてしまっているんです。

まずは、この重大な事実をしっかり認識しましょう。

「でも、イライラが込み上げてきて、止められないんだ」

分かります。

猛烈な怒りが、自分を馬鹿にしているような声が聞こえてくるんです。

強烈な怒りが沸き上がったとき、もう止められないんですよね。

「バカ!そんなこともできないのか!ほんと使えないやつだな」

これの繰り返しですよね。

今振り返ると、なんで自分は「相手が間違っている。おかしい。自分が正しい」と考えたのでしょうか?

「本当は一緒に、一生懸命仕事をしてもらいたかった」のに、「そうしてもらえなかった」ので、「悲しい、傷ついた」。そうでしょう?

「相手が自分を馬鹿にしているんだ」とあなたは思い込んでいますが、本当にそうでしょうか?

実際、相手は「まあいいか。あとでしっかり確認しよう」と思っていただけかもしれません。

ましてや、あなたを馬鹿にもしていないし、あなたが間違っているとも思っていないんです。

結果として、「一緒にやりたかった」あなたは、勝手に傷つき、悲しんで逆キレしているだけなんです。

この事実を認識した後、あなたはこう言うでしょう。

「僕も人間なので(仕方ないよね?僕は悪くない)」

このように、キレやすいタイプの人ほど、傷つきやすい人が多いように思います。

自分で言葉を選択し、自分から変わってみる

「相手が自分を怒らせた」

「相手が自分を傷つけた」

「相手がやらなければ、自分は怒らなかった」

これは全部あなたの妄想です。

あなたの言葉は、相手が選び取っているのではありません。

確かに、あなたが選び取った言葉があなたの口から発せられています。

あなたの言葉をあなた自身で選択する

建設業の方には攻撃的な言葉が体の隅々に沁みついてしまっており、結果としてその人から無自覚に他人を攻撃する言葉が出てきます。

頭の中に溢れていた言葉は、あなたが無自覚に選択していたんです。

僕はゾッとしました。

思えば、僕自身も、厳しい親から浴びせられてきた言葉が頭にこびりつき、

そして、親と同じ建設業に足を踏み入れ、同じような環境に身を置き、同じような言葉を毎日毎日聞いてしまっていたんですね。

相手が悪いんじゃなく、本当に悪いのは、それを選択し続けてきた自分自身でした。

自分の正解と相手の正解をなんとかすり合わせよう

今回の記事は、少し過激な言葉が多くなってしまって申し訳ないです。

ただ、建設業界にはこのような方が本当に多いように思います。

技能に関わる業界の構造的な問題なのかもしれませんね。

この記事を読んだ方の気づきにすこしでも貢献できればうれしく思います。