横浜国立大学理工学部建築都市環境系学科卒
一級鉄筋技能士
RC造の梁の施工は地中梁の施工とは異なる点が多くあります。
RC造一般階の梁の施工はスターラップの形状や施工方法が地中梁の施工とは大きく異なります。
特に、梁の落とし込み作業はRC造一般階の施工時にしかない特殊な作業です。
この記事ではRC造一般階の梁の施工について詳しく解説していきます。
目次
梁について
まずは梁の配筋を確認しましょう。
梁配筋の基本手順は上主筋→S.T→下主筋→圧接→結束
まず上主筋を配筋するには基礎エースやウマが必要になります。
基礎エースやウマを配筋した後に上主筋を配筋します。
上主筋を配筋した後に適切なピッチでスターラップを配ります。
この際、圧接する部分を避けてスターラップを配っていきます。
スターラップと下主筋の配筋が終わったら中間材を圧接し、結束して配筋は完了です。
スターラップの形状は構造体によって様々
スターラップの形状は以外にも多くの種類があります。
よく見かけるのは図の(a)の形状ではないでしょうか?
(a)の一般的なスターラップの形状はほとんどの地中梁で採用されています。
図の(e)~(h)のスターラップは(a)のスターラップとは異なり、スターラップとキャップの2つに分かれています。
このような形のスターラップを採用できるのは主にRC造の一般階の梁だけです。
RC造の一般階の梁はL型やT型の梁になり、スラブが梁の上部に取り付き一体化します。
キャップの形状は両端が135°のものや90°のものがあります。
一般的にはスラブが付く側のキャップは90°に折り曲げますが、スラブの厚さや施工性を考慮し、ゼネコンや設計者と協議しながら決定していきます。
RC造一般階のスターラップはスターラップとキャップの2つに分かれた形状になる
キャップの形状はスラブの有無によって決定する
梁の落とし込みについて
RC造一般階の梁配筋に特徴的な落とし込み作業について見ていきます。
主筋やスターラップを配筋するためにレバーで持ち上げる
梁配筋の手順は、地中梁であってもRC造の一般階の梁であっても基本的には変わりません。
上主筋→S.T→下主筋→圧接→結束の手順です。
しかし、RC造一般階の梁の場合は、スラブの型枠がすでに存在しているので、一時的に梁を持ち上げて配筋する必要があります。
配筋終了後にレバーで落とし込む
梁を持ち上げた状態で、上主筋→S.T→下主筋(もしくは上主筋と同時に配筋)→圧接→結束の手順に沿って配筋が完了したら型枠の間に梁を落とし込みます。
まとめ
この記事ではRC造一般階の梁の施工について詳しく解説しました。
地中梁と違ってRC造一般階の梁の施工は非常に複雑でとても難しいです。
この記事の内容を基本知識として現場経験を増やして技能を身に付けて行きましょう。