横浜国立大学理工学部建築都市環境系学科卒
一級鉄筋技能士
鉄筋コンクリートの構造部材の梁や壁は開口が設けられることが多々あります。
開口の目的は設備用の配線を通したり、人が点検するためだったりと様々ですが、ひび割れの原因になるので開口補強筋を配筋する必要があります。
この記事では、人通口、スリーブ、貫通孔などの開口部の配筋について解説していきます。
目次
開口について
目的や開口の大きさによって名称が異なります。
一般に鉄筋による補強方法と溶接金網による補強方法がある
開口の補強方法には2つあり、鉄筋による補強方法と溶接金網による補強方法があります。
このほかにも既製品(MAXウエブレンなど)を取り付ける方法もあります。
梁貫通孔補強材 MAXウエブレン標準仕様書 – テイエム技研
小型のものはスリーブ
主に配管を通すために空ける開口がスリーブです。
小型のものが多く、構造図に明記されていないので実際に施工する際は常用で施工することが一般的です。
スリーブの位置の墨が出ておらず、施工が進まないトラブルが良く発生するので注意します。
人通口などの大型の開口の場合は構造図に明記される
小型のスリーブは構造図に明記されていない場合が多いですが、点検用の大型の人通口は構造図に明記される場合がほとんどです。
大型の開口の場合は、開口の上下に梁の鉄筋とは異なる鉄筋を別途配筋する必要があります。
梁のスターラップを結束する前に開口部の補強筋を仕込む必要があるので、この場合も開口の位置をあらかじめ墨出しておく必要があります。
スリーブや開口の位置をあらかじめ墨出しておかないと配筋作業がストップしてしまう
人通口補強筋について
大型の開口の場合の配筋方法を具体的に見ていきましょう。
開口上下に梁のスターラップとは別の種類のスターラップが必要
開口の両端には梁のスターラップが2重に配筋されることが多いです。
開口の上下には梁のスターラップとは別の小型のスターラップが配筋され、上下左右斜めに追加で補強筋が配筋されます。
開口の直径は梁せいの1/3以下
ひび割れを防止するため、開口の直径や開口の間隔、補強筋の定着長さにも規定があるので確認しておきましょう。
まとめ
この記事では、人通口、スリーブ、貫通孔などの開口部の配筋について解説しました。
スリーブや開口の位置の墨出しが完了しておらず、配筋作業がストップしてしまうトラブルが多いので注意しましょう。