横浜国立大学理工学部建築都市環境系学科卒
一級鉄筋技能士
直接基礎、べた基礎、スラブ….と聞き覚えのある言葉がたくさんありますが、その意味をしっかり理解できているでしょうか?
この記事では、耐圧スラブの基本的な知識と配筋方法について詳しく解説していきます。
目次
スラブについて
スラブとは、「一体式構造において地震発生の際にその水平力を他の主要部材(梁・柱・耐力壁)に伝搬させる床」を指します。
鉄筋工事を学ぶ上では一体式構造という言葉が非常に重要ですので、スラブの定義が曖昧な方はここでもう一度確認しておきましょう。
一体式構造においては定着や重ね継手が重要検査項目
一体式構造においては定着や重ね継手長、重ね継手の位置が非常に重要な検査項目です。
耐圧スラブに関してもこれらの検査項目が非常に重要ですが、耐圧スラブならではの注意点もあります。
べた基礎について
べた基礎と呼ばれる地盤の支持方法では、建物から伝わる荷重は耐圧スラブを通して地盤に伝わります。
基礎は直接基礎と間接基礎に分けられる
基礎は地盤の支持方法によって直接基礎と間接基礎に分けられています。
直接基礎とは、基礎が直接支持地盤に接している基礎のことを言います。
直接基礎には、フーチング基礎とべた基礎があります。
べた基礎は耐圧スラブと基礎梁が一体となって支持地盤の上に接している構造になります。
間接基礎は、フーチングと支持地盤との間に荷重を伝達するものがある基礎のことを言います。
代表的なものは杭基礎です。
直接基礎:基礎が直接支持地盤に接している基礎→フーチング基礎とべた基礎
間接基礎:フーチングと支持地盤との間に荷重を伝達するものがある基礎→杭基礎
べた基礎は耐圧スラブと基礎梁が一体となる構造
耐圧スラブについて
では耐圧スラブについて具体的に見ていきましょう。
図面ではFSの記号で表記される
耐圧スラブは図面ではFS(F=foundation:基礎、S=slab:スラブ)の記号で表記されます。
耐圧スラブが設けられるのは地下水位の影響とは限らない
べた基礎の場合は、建物から伝わる荷重は耐圧スラブを通して地盤に伝わります。
地下水位が高い場合で水が頻繁に湧いて出てくる場合に耐圧スラブが設置されると理解されがちですが、ピットが必要な場合や構造上耐圧スラブが必要な場合がほとんどになります。
継手位置
配筋指針によると、耐圧スラブの上筋と下筋の継ぎ手位置は、一般階のスラブとは逆になるので注意しましょう。
熟練技能者が行う段取り筋の設置方法
スラブの配筋は熟練技能者と若手技能者で役割が異なってきます。
熟練技能者は段取り作業を行うことができますが、若手技能者は段取り作業ができません。
その為、材料の間配り作業や結束作業を素早く行うことが若手技能者の役目になります。
熟練技能者がどのように段取り作業を行っているのかも確認しておきましょう。
まとめ
この記事では、耐圧スラブの基本的な知識と配筋方法について詳しく解説しました。
直接基礎、べた基礎、スラブと聞き覚えのある言葉がたくさん出てきましたが、その意味を理解できていたでしょうか。
各言葉の意味を理解したうえで、重要検査項目である定着や重ね継手長、重ね継手の位置の理解を深めていきましょう。