横浜国立大学理工学部建築都市環境系学科卒
一級鉄筋技能士
日本に何名の外国人が居住しているのかご存じでしょうか?
出入国在留管理庁の資料によれば、2023年12月末時点で341万人とされています。
これは茨城県の人口(284万人)よりも多い数であり、日本国内で働く外国人の存在は、もはや無視できないものとなっています。
特に中小企業では、人材不足の中で外国人労働者に頼らざるを得ない状況が増えており、その際、企業は「管理費」を登録支援機関に支払って外国人をサポートする形が一般的となっています。
私自身も、外国人実習生を雇用する際、月額2.5万円を登録支援機関に支払っています。
しかし、調べてみたところ、この「登録支援機関」の資格は企業自体でも取得でき、月々の管理費を支払う必要がないことが判明しました。
この記事では、企業が自社で登録支援機関の資格を取得する方法と注意点について詳しく説明します。
目次
実習生を雇用する際は、登録支援機関に管理費を支払うのが当たり前じゃないの?
多くの中小企業は、外国人実習生を雇用する際に登録支援機関に管理費を支払うのが通常と考えています。
実際、無料人材紹介業者の多くが、この支援ビジネスをストックビジネスとして活用しており、企業にとっても「他に選択肢がない」と感じてしまうことが多いです。
無料人材紹介業者のストックビジネス
よくある「ABC事業協同組合」のビジネスモデルは、人材を紹介したときに得られる紹介料(フロー収益)と企業からの月々の管理費収益(ストック収益)で成り立っています。
この人材紹介事業は最低2人で稼働することができ、1人当たり70人程度の外国人の管理を行うことが現実的に可能とされています。
70人管理すれば、ストック収益だけで70*2.5万円*12ヶ月=2100万円の売上高になります。
一般的には1人当たり2.5万円~3万円程度の管理費を支払う
実際、多くの企業が月々の管理費として、実習生1人あたり2.5万円から3万円を支払っているのが現実です。
この金額は、規模が小さい中小企業にとって大きな負担となり得ますが、他に方法がないと思い込んでいる企業が多いのも事実です。
10項目の支援をちゃんと実施している支援機関はほとんど存在しない
登録支援機関には「必ず実施しなければならない10項目の義務的支援」があります。
ざっと見てみて、この支援内容をいまの登録支援機関が行ってくれてますかね・・・・?
せいぜい、空港からの送迎だけではないでしょうか。
ほとんどの登録支援機関は、この10項の支援内容のサポートをほとんど実施していない為、これらの支援をしっかりやるだけで差別化になります。
登録支援機関の資格は自社でも取得できる
私自身、外部の登録支援機関の支援体制にずっと疑問を持っていました。
「月2.5万円支払って、一体何の支援をしているつもりなのか・・?」
これが、自社で登録支援機関の資格を取得するきっかけになりました。
自社で資格を取得すれば、毎月の管理費を他の業者に支払う必要がなくなり、コスト削減に大きく貢献します。
自社で取得すれば管理費を支払う必要は無い
登録支援機関の資格を自社で取得することで、外部の支援機関に頼ることなく、外国人実習生のサポートを自社内で完結させることが可能になります。
これにより、管理費の負担をゼロにし、さらに企業の裁量で支援を柔軟に行える利点があります。
驚いたことに、この「登録支援機関」の登録はびっくりするほど簡単です。
なぜ、もっと早く気づかなかったのか、情弱とは恐ろしいですね。
無料・有料職業紹介事業資格を取得すれば、他社への人材の紹介も可能になる
さらに、職業紹介事業の資格を取得すれば、自社の実習生サポートに留まらず、他社への人材紹介も可能になります。
これにより、自社の新たな収益源としての可能性が広がり、事業の幅が一層広がるでしょう。
自社で登録支援機関の資格を得る際の注意点
ただし、資格を取得する際にはいくつかの注意点があります。
これを無視しては、サポート体制の整備に失敗し、かえって問題を生じる可能性があります。
あらかじめ現地ネットワークを構築する事
まず重要なのは、現地でのネットワークを構築することです。
外国人労働者をサポートするには、現地の事情に精通したネットワークが不可欠です。
これにより、実習生の紹介や生活支援が円滑に行われます。
一見、難しそうに思えますが、実際の登録支援機関であってもfacebookを活用してネットワークを構築していることがほとんどのようです。
現地視察に行って、信用できる現地ネットワークを構築することも必要かと思いますが、思ったよりもハードルは高くないのかもしれませんね。
10項の支援内容のサポート体制を構築する事
また、登録支援機関として必要とされる10項目の支援内容に対するサポート体制を確立することも不可欠です。
これには、労働条件の説明や生活支援、トラブル対応などが含まれており、きちんとした体制を構築することで実習生の定着率も向上します。
まとめ
外国人実習生の雇用における管理費は、企業にとって大きな負担となりますが、自社で登録支援機関の資格を取得すれば、その負担を減らすことが可能です。
さらに、これによりコスト削減だけでなく、自社の柔軟なサポート体制を構築し、ひいては事業の幅を広げるチャンスとなるでしょう。