横浜国立大学理工学部建築都市環境系学科卒
一級鉄筋技能士
目次
概算請求って?
予算編成は、国の歳入(収入)をもとに、歳出(支出)を決定することで、税金などの歳入を、どの分野にどれだけ使うのかを決定する作業です。
まず、毎年 8 月下旬、各府省庁が予算を査定する財務省に対して次年度に必要な経費を要望します。
これを「概算要求」といいます。
低位安定の日本の中小企業にとって重要な補助金
日本には約400万社の企業が存在していますが、そのうちの9割は中小企業です。
中小企業は経済の基盤を支える重要な存在ですが、資金調達や投資の難しさから、経営が厳しい状況に置かれることが多いです。
こうした中で、国の予算(税金)からの補助金は多くの中小企業にとって重要な資金調達手段です。
国からの補助金を受けることで、中小企業は設備投資を実施し、生産性を向上させることができます。
これが実質賃金の向上につながり、最終的にはGDPの向上に寄与すると国は考えています。
国の予算からどの分野・領域にお金が回るのかを見る
国の予算は特定の分野や領域に重点的に配分されており、これを理解することで中小企業は自社の事業に合った補助金を見極め、効果的に活用することができます。
特に、技術革新や環境対策など、政府が注力している領域に目を向けることが大切です。
これにより、適切な補助金を見つけることが可能になります。
建設に係る概算請求
一見、読んでもつまらなそうな概算請求ですが、見ておくと結構ゼネコンの腹の底を垣間見ることができます。
「中堅・中小成長投資補助金」がメイン
建設業界では、「中堅・中小成長投資補助金」が主要な支援策として位置づけられています。
この補助金は、中堅や中小企業が成長を目指す際に必要な資金を提供し、新たな投資を後押しします。
最近では、半導体やGX(CO2の削減)をテーマにした事業計画に対して大きな補助が出ることが多く、この補助金では最大50億円もの大金が事業者に支援されることがあります。
コンサルタントとゼネコンが手を組んで新設案件を獲得することが多い
最近、この補助金を活用した工場の新設を目論むゼネコンが増えています。
コンサルタントとゼネコンが連携し、新設案件を獲得するケースが増加しています。
この協力体制は、専門的な知識や技術を融合させ、より競争力のある提案を行うために欠かせません。
下請企業は、この補助金をうまく活用できるゼネコンについていけるかが大きなポイントになっています。
例えば、群馬県内では、H社とM社が組んで提出した新規工場新設案とK社とO社が提出した案がバッティングし、最終的にK社とO社のみが採択されたという話もあります。
このように、ゼネコンも技術力を高めるだけでなく、コンサルタントと連携して企業の付加価値向上のための事業計画の立案・提案力が求められているのかもしれません。
数十億前後の地場ゼネコンは厳しいか
上記の補助金を活用できるのは、売上高が100億以上の優良なゼネコンに限られるでしょう。
一方で、売上高が数十億の地場ゼネコンは、この補助金を活用すらできません。
そのため、大型の案件を施工することができず、厳しい状況に直面することになるかもしれません。
まとめ
概算請求は、日本の中小企業や建設業界において重要な資金調達手段です。
国からの補助金を理解し、適切に活用することで企業の成長を促し、地域経済の活性化につながることが期待されます。
ゼネコンはコンサルタントとの連携を強化し、競争力を高めるのが流行りになりつつあるようです。