横浜国立大学理工学部建築都市環境系学科卒
一級鉄筋技能士
スラブの鉄筋施工をする場合、ほとんどの若手の方は単純なスラブの材料小運搬の作業を経験するはずです。
単純なスラブだと、使用鉄筋材料も少なく重ね継手や定着長さを気にしなくてもある程度正確な施工ができてしまいます。
しかし、今回説明するようなスパンの短い両側スラブの場合はL2やL3の理解が不可欠です。
この記事では、スパンが短い場合の両側スラブの定着について詳しく説明していきます。
目次
両側スラブのスラブ筋の定着
今回説明するのは赤枠の両側スラブの場合です。
スパンとは柱間のスパンを指します。
スパンが長い場合のスラブと、スパンが短い場合のスラブでどのように施工が変わるのか見ていきましょう。
スパンが長いスラブであれば使用する鉄筋材料は1種類なので考える必要は無い
鉄筋業者が言うところの「単純なスラブ」とは、柱間のスパンが広く、ピットや段差の無いスラブを指します。
このような単純なスラブの場合、5500mmや6000mmのみというように使用する鉄筋材料の種類も少なくなります。
その為、現場で施工する際は、あらかじめ重ね継手長さや定着長さを決めておければ、若手技能士であっても比較的簡単に施工することができます。
スパンが短いスラブの場合は使用する鉄筋材料が増える
一方で、柱のスパンが短く段差やピットが多いスラブの場合はどうでしょうか?
この場合は、使用する鉄筋材料の種類が多くなり、梁とスラブを一体式構造にするための適切な定着(L2やL3)を随時考えて施工する必要が出てきます。
その為、スパンが長いスラブの施工と同じように施工してしまうと誤った施工になってしまいます。
スパンが短いスラブの場合の両側スラブ
具体的にスパンが短いスラブの場合の両側スラブの施工について見ていきましょう。
上筋はL2定着 下筋はL3定着
特記の無い場合、小梁やスラブの下端筋を除く鉄筋の直線定着はL2です。
また、小梁やスラブの下端筋の鉄筋の定着はL3です。
上記の図だと、梁の両側でスパンの長さが変わっており、左右で使用鉄筋材料の種類が変わっています。
このように単純ではなく、スパンが短いスラブの場合は「上筋はL2定着 下筋はL3定着」の知識が無いと間違った施工をしてしまうので注意しましょう。
スパンの短い両側スラブの場合、上筋はL2定着 下筋はL3定着を意識する
まとめ
この記事ではスパンの短い両側スラブの施工のポイントを解説しました。
スパンの短い両側スラブの場合は、上筋はL2定着下筋はL3定着を意識して施工するのがポイントになります。