柱の根巻コンクリートの配筋について

流通倉庫や商業施設などのS造の基礎工事では、鋼材の柱の根巻工事が発生します。

この記事では、根巻の鉄筋工事について解説します。

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鉄骨造の脚部について

柱の脚部は構造耐力上とても重要な部分です。

鉄骨造の建物では、上部構造の鋼材の柱と、RC造の基礎の2種類の構造体を結合するわけなので、2つの構造体が一体となるようにボルトにも基準が定められています。

ボルトの緊結

この脚部は、国交省が定める基準に従い、アンカーボルトによる緊結もしくはその他の構造方法ににより基礎に緊結しなければならないという法律が存在しています。

鉄骨造の建物の場合、鉄筋工事で施工された柱の基礎と鋼材の柱が高力ボルトによって緊結されます。

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緊結されたボルトは、緩むことが無いように以下の措置が講じられます。

根巻について

ボルトによる緊結の他にも柱の脚部には工夫が施され、その一つが根巻コンクリートです。

現場では根巻と省略されて言われますが、正式な呼び方は「根巻コンクリート」といいます。

根巻の役割

根巻の役割は大きく2つあります。

一般的には基礎の柱の差し筋が根巻の主筋になる

一般的には根巻の主筋は、基礎の柱の主筋に沿わせるように適切な本数を差し筋し、定着長さを確保して一体化構造になるようにしたものになります。

基礎のコンクリートの打設、鋼材の柱の緊結、土間コンクリートの打設に合わせて根巻の鉄筋の組立作業が行われます。

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根巻の配筋について

根巻の構造が分かったところで実際の配筋例を見ていきましょう。

根巻の主筋を棒ハッカーで曲げる作業が大変

根巻の配筋をするには、まず主筋となる差し筋を鋼材の柱に合わせて棒ハッカーで曲げます。

差し筋を曲げこむことで、鋼材との適切なかぶりを確保します。

基礎の差し筋ではなく、土間に定着させる

構造的には上記で説明したように、基礎から差し筋をし、かぶりを適切に確保しながら棒ハッカーで差し筋を曲げこんで配筋するのが適切です。

しかしながら、棒ハッカーで差し筋を曲げこむ作業が非常に大変で、D13の鉄筋を1本曲げこむにも一苦労します。

鉄筋工事業者をはじめとする専門工事業者にとって一番大切なのは施工性です。

施工が容易な代替案をゼネコン側に提示し、できるだけ現場作業が容易になるように工夫をします。

差し筋を曲げこむことは行わず、その代わりに根巻の主筋を土間コンクリートに定着させる方法を提示し、それが認められば容易に根巻の配筋ができます。

写真の例では根巻の差し筋を切断しています。

差し筋の代わりに根巻の主筋を片アンカーで用意し、これを土間コンクリートに定着させています。

まとめ

この記事では鋼材の柱の根巻の鉄筋工事について説明しました。

紹介した例では、差し筋の曲げこみを行わずに土間コンクリートに根巻の主筋を定着させる例を踏まえて紹介しました。

構造上は適切であっても施工性が悪い場合、ゼネコン側と専門工事業者との間で適切に協議していくことが大切です。

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