【建設労働組合とは?】加入するメリットとデメリットを解説

建設労働組合は建設業に従事する人たちを中心に組織される団体です。

労働組合があることで一人では解決できない問題も労働者が集まることで改善へと活動することができ、労働者の権利も守ることができます。

この記事では建設労働組合とはどんな組織か、加入するメリットとデメリットについてお伝えしていきます。

建設業の労働組合とは

建設業の労働組合は建設業に従事する大工や左官などの建築職人を中心に作る組合です。

そもそも労働組合とは労働者の連帯組織であり、賃上げ、雇用人数の増加、労働環境の改善、誠実な契約交渉の維持などを目的とする集団です。

労働組合の略称を労組、ユニオン、組合と呼ぶこともあります。

加盟組合は各都道府県に複数の労働組合があり、従事する地域に属する組合に加入します。

建設労働組合の役割

労働組合の役割は労働者が集まることで、賃上げの希望や働く時間の短縮など一人の力では解決に至らない事柄を解決・改善していくためにあります。

組合は物事をみんなで決めることを原則として、みんなの意見をまとめ、待遇の改善、職場の不満の解決を目的として活動しています。

このことから一人の力では及ばない問題や、会社の上司に申告しても中々解決していかないなど、こういった不満などに対して労働者を守るために労働組合はあります。

建設労働組合に加入することのメリット

建設労働組合に加入することにより様々なメリットを受けることができます。

下記にてメリットを一つずつご紹介していきます。

建設国保(建設業国民健康保険組合)に加入できる

建設労働組合に加入することで建設国保組合(建設業国民健康保険組合)に加入することができます。

建設国保組合に加入することで万が一病気やケガになった時に保険料と国からの補助金を受けることができます。

令和2年7月分の医療費は一人当たり12,436円に給付金を加えて、一人当たり14,222円となっています。

ある一定以上の所得を得ている方は市町村国保の国民健康保険よりも建設国保の方が保険料を抑えることができ、保証内容も充実しています。

万が一の事故のために労災保険に加入できる

建設業は体を駆使して作業を行い、電気工具なども扱うので怪我や事故に見舞われる可能性が高い仕事です。

もし、怪我をしてしまい仕事ができなくなってしまう期間ができて収入が入らないなんてことがあると治療費や生活費などに困ってしまいます。

そのため仕事が原因して業務を行うことができなくなった時に保証する労災保険に加入していることが重要です。

建設労働組合に加入すれば労災保険に加入できますので、万が一の事故や病気で収入が途絶えてしまっても安心です。

税金の自主申告をサポートしてくれる

当然のことですが事務所の事業主や一人親方など事業の収入に対して税金を納める必要があります。

税金の申告作業は慣れていないと非常に手間がかかり税務署が勝手に行ってくれるわけではありません。

建設労働組合は税金を自主申告できるように講習会を開いたり、記帳の仕方などを指導したりしていて、税金の申告についてサポートを受けることができます。

資格取得とスキルアップのための講習や特別教育を実施

建設業は資格の取得がないと仕事をすることができない業種があります。

建設労働組合はスキルアップのために作業主任者講習や特別教育などを実施し、資格取得のサポートを受けることができます。

組合によって違いはありますが、実施する資格講座は現場従事者の立場でわかりやすく進めてくれて好評があります。

お祝い金や弔意金などのたすけあい共済制度を受けられる

建設労働組合は共催制度を設けており、組合員で積み立ててきたお金でお祝い金や弔意金を受けることができます。

また、組合によっては生命、火災、自動車などの共済も実施しているところがあります。

退職金がもらえる建退共(建設業退職金共済制度)の加入

労働条件の改善による全ての建設労働者や職人が退職金をもらえるように建退共(建設業退職金共済制度)の加入ができます。

建退共は法律に基づいて国がつくった制度で国の補助もあります。

国で定められた基準で計算されますので、退職金は確実に支払われ民間の退職金共済より安全な制度となっています。

建退共に加入することにより労働者は退職金を受けることができるメリットがあり、また退職したとしても建退共に加入している会社間での転職なら積み立てたお金も継続してカウントされます。

労働者を雇う側の会社も建退共による退職金があるということで労働者の定着や人材確保が有利に働くことができます。

賃金・工事代金の不払い相談のサポート

賃金・工事代金の不払いの相談は多く寄せられているのが現状です。

一人で活動する人にとってはこういった状況はとても負担が大きく、賃金の支払いについて泣き寝入りしてしまうことだってあります。

こういったトラブルに対しても労働組合に加入しておけば相談や適切なサポートを受けることができます。

建設労働組合に加入するデメリット

建設労働組合に加入することはメリットの他にデメリットもあります。

組合の加入を検討している場合はデメリットとなる部分もしっかりと把握しておかないと、途中で煩わしく感じてしまうことがあるでしょう。

建設労働組合に加入するデメリットで挙げられるのが、組合費が毎月徴収されることと、通常業務とは別の組合活動があるということです。

通常の仕事とは別に組合の行事や会議の参加を求められることがありますので時間を取られることに負担を感じるかもしれません。

また、労働者にとって利益となる活動を積極的に行っていない組合もありますので、加入する際は組合費の負担も考慮して、参加できる範囲の労働組合を選ぶことが大切になります。

建設労働組合に加入するメリットを確認して検討しよう

建設労働組合に加入することで労働者が守られるということは大きなメリットです。

ですが、組合によって活動や組合費は違ってきますので、自分に適しているのかよく検討して選ぶことが大切です。

建設労働組合の加入を検討している方は、従事する地域で設立する建設労働組合をよく調べて加入しましょう。

「【建設労働組合とは?】加入するメリットとデメリットを解説」への1件のフィードバック

  1. 現在80名程度の建設業を経営する中小企業ですが、社内で労働組合を作る方法があれば教えて頂けますでしょうか。

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