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「髙松建設事件」とは?竣工後の建物に多数の“ひび割れ”が発覚?!

「髙松建設事件」について

大阪府大阪市の「髙松建設株式会社(たかまつけんせつかぶしきがいしゃ)」は、1917年に創業した建設会社です。創業以来、4,800棟以上の集合住宅・マンションなど主に多くの建物を提供しています。昨今ではオフィスビルの建設から、福祉・物流・生産・宿泊施設のほか、研究所や医療施設・リノベーション事業など、幅広い施工分野に携っているのです。

2008年には新体制の始動に伴い、「株式会社髙松コンストラクショングループ(※旧髙松建設)」と「髙松建設株式会社」に会社分割を果たしました。

また、髙松コンストラクショングループが掲げる憲章の一文に下記があります。

「髙松コンストラクショングループに属する各企業の目指す方向は同一である。」
「髙松コンストラクショングループに属する各企業はたがいに独自性を尊重する。」
「髙松コンストラクショングループに属する各企業はたがいに協力と競争の調和を計る。」

引用:髙松コンストラクショングループ

新体制のテーマは、グループに関連する企業がより専門性に特化しつつも、グループ全体で掲げているビジョンと理念に一貫性を持たせているようにも考えられます。

2017年には創業100周年を迎え、次の100周年を目指してチャレンジを続ける髙松コンストラクショングループ。
しかし2015年には、新髙松建設が引き起こした“ある事件”が話題になりました。
当記事では建設会社としては致命的な問題で世間を騒がせた事件に焦点を当てていきます。

「髙松建設事件」とは?

「髙松建設事件(たかまつけんせつじけん)」とは、髙松建設が仙台市で施工した8階建てマンションのコンクリートに致命的な強度不足が発覚したことで、建て替えに工事に伴う多額の損害賠償が発生した事件です。

新体制に移行してから約7年という期間で発生した事件で、コンクリート強度の基準が補修では補えないようでした。

マンションの所有者は元請けのサブコン髙松建設に対して、建て替え費用など約5億4千万円もの損害賠償を求めています。

事件の判決

仙台地裁は2015年3月31日までに髙松建設を含む計3社に対し、約5億1900万円の支払いを命じました。

該当のマンションは1998年に竣工した建物ですが、竣工後の引き渡しの後に多数のひび割れが生じた様子。

当事件はマンション所有数側が2009年に建築士へ調査を依頼した事で、コンクリート強度不足が見つかったようです。

また、所有者側はこの調査の際に、コンクリート強度が設計基準の半分ほどしかないことを主張しており、髙松建設も反論を唱えつつ、争う姿勢を見せています。

この判決について、裁判長の山田真紀裁判長は下記のように指摘していました。

「基準を少なからず下回る。建物全体の強度を大きく低下させ、基本的な安全性を損なう欠陥に当たる」

引用:日本経済新聞

判決のポイント

今回マンションの立て直しの必要性が認められたポイントとして、やはりコンクリート強度の大幅な強度不足にあるでしょう。

本事件マンション所有者側(原告)の代理人を担当する弁護士は、下記のように述べており、建て替える必要性の高さを公に訴えていました。

「(一定の)強度がないと直しようもない。補修ではなく、建て替えが認められたことは重要だ」

引用:日本経済新聞

8階建てマンションのコンクリートひび割れを補修する程度ではどうすることもできず、根本的な部分から建て直す必要があるほど、事体の深刻さを物語っています。

高松建設が関わる他の事件

2018年10月3日に千葉県市川市の建設現場にて、柏崎建設から工事を請け負っていた髙松建設の労働者が、基礎工事用に掘削していた掘削面に墜落し、重傷を負う事故が発生しています。

この労働災害で被災した労働者は55歳の男性で、地下から地上部分に上がる途中だったようです。

重傷を負った男性は頚椎を損傷して、意識不明の状態に陥っています。

千葉労働局・船橋労働基準監督署はこの件に関して、髙松建設と当該建設現場の所長を、労働安全衛生法第31条違反として千葉地検に書類送検しました。

第三十一条 特定事業の仕事を自ら行う注文者は、建設物、設備又は原材料(以下「建設物等」という。)
を、当該仕事を行う場所においてその請負人(当該仕事が数次の請負契約によつて行われるときは、当
該請負人の請負契約の後次のすべての請負契約の当事者である請負人を含む。第三十一条の四において
同じ。)の労働者に使用させるときは、当該建設物等について、当該労働者の労働災害を防止するため
必要な措置を講じなければならない。

引用:労働安全衛生法 第4章 労働者の危険又は健康障害を防止するための措置(第20条-第36条)

また、元請け会社の柏崎建設と同社現場職長を、労働安全衛生法第21条違反の疑いで、千葉地検に書類送検しています。

この報道が大々的にされた2019年7月時点で、被災者の意識は回復していません。

まとめ

今回取り扱ったのは創業から100周年を迎え、これからも建設業界の中核を担う老舗サブコン髙松建設でした。

建設業は特に安全衛生管理を最重要視して、最も「安全意識」に力を入れている業界のため、ちょっとした事故でも大きく報道されてしまいます。

髙松建設事件は、コンクリート強度が基準を下回る根本的な設計から問題視される事例になりましたが、問題が発覚してから裁判沙汰になるまで数年のブランクがあります。

こういったケースは決して稀ではなく、竣工してから大きな問題に繋がることは多々あります。

人手不足が囁かれているからこそ、工期の短縮と工賃の大幅なカットに焦る建設会社は、その分徹底した管理体制を敷くべきなのかもしれません。

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