横浜国立大学理工学部建築都市環境系学科卒
一級鉄筋技能士
使用される部材が破壊されないかどうかは許容応力度設計法で計算することができます。
この記事では合板と端太材のたわみ量を計算してみます。
煩雑な計算式が出てきますが、どのように計算しているのか理解できていれば十分です。
目次
たわみ量の計算
さっそくたわみ量を計算していきましょう。
たわみとは?
たわみを計算する前に、部材を一定の長さの単純梁としてモデル化します。
モデル化した部材に荷重が作用したとき、部材がどれくらい変化したのかを示しているのがたわみ量です。
小難しい教科書にはデルタ(δ)で表記されます。
許容たわみ量について
合板・端太材のたわみ量を計算してみます。
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せき板の許容たわみδ=3mm 端太材の許容たわみ=L/300mm (Lは端太材のスパン) |
せき板には合板(t =12mm)を使用します。
設計条件について
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合板に作用する応力の単位荷重W0=28.6KN/m^2 荷重分担幅=0.9m 梁材長さL=0.3m 断面係数Zx=21600mm^3 (bh^2/6=900*12^2/6mm^3) 断面二次モーメントIx=129600mm^4 (bh^3/12=900*12^3/12mm^4) ヤング係数E=5.5*10^3N/mm^2 |
合板(幅 900mm あたり)に作用する荷重は
1 |
W=W0*0.9=25.7KN/m |
内端材の間隔は、300mmなので、合板を3径間連続梁として計算します。
照査結果について
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曲げモーメント M=WL^2/10=25.7*0.3^2/10=0.231KN*m 曲げ応力度 σ=M/Zx=231000/21600=10.7N/mm^2 たわみ量 δ=W*L^4/137.6EIx =2.1mm<3.0mm→OK!! |
内端材の検討について
内端太には、角鋼管(□-60×60×2.3,JIS G3466 STKR400)を使用します。
設計条件について
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端太材に作用する応力の単位荷重W0=28.6KN/m^2 荷重分担幅=0.3m 梁材長さL=0.9m せん断断面積A=255mm^2 断面係数Zx=9440mm^3 断面二次モーメントIx=283000mm^4 せん断係数K=1.0 ヤング係数E=2.0*10^5N/mm^2 |
内端太材の間隔は 300mm であり、部材 1 本あたりに作用する荷重は以下の通りです。
1 |
W=W0*0.3=8.58KN/m |
内端太材の支点となる外端太材の間隔は 900mmで、内端太材を等分布荷重の単純梁として計算します。
照査結果について
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曲げモーメント M=WL^2/8=0.869KN*m 曲げ応力度 σ=M/Zx=92.1N/mm^2 せん断力 S=WL/2=3.86KN せん断応力度 τ=K*S/A=15.1N/mm^2 たわみ量 δ=5*W*L^4/384EIx =1.3mm<3.0mm→OK!! |
外端材の検討について
外端太材には、角鋼管(2□-60×60×2.3,STKR400)を 2 本 1 組で使用します。
設計条件について
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端太材に作用する応力の単位荷重W0=28.6KN/m^2 荷重分担幅=0.9m 梁材長さL=0.6m せん断断面積A=510mm^2 断面係数Zx=18880mm^3 断面二次モーメントIx=566000mm^4 せん断係数K=1.0 ヤング係数E=2.0*10^5N/mm^2 |
外端太材の間隔は 900mm で、部材 1 本あたりに作用する荷重は、
1 |
W=W0*0.9=25.7KN/m |
外端太材の支点となるセパレータの間隔は600mm で、外端太材を等分布荷重の単純梁として計算します。
照査結果について
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曲げモーメント M=WL^2/8=1.16KN*m 曲げ応力度 σ=M/Zx=61.4N/mm^2 せん断力 S=WL/2=7.71KN せん断応力度 τ=K*S/A=15.1N/mm^2 たわみ量 δ=5*W*L^4/384EIx =0.4mm<2.0mm→OK!! |
セパレータの検討について
セパレータ 1 本あたりに作用する引張力 T は、以下の通りです。
設計条件について
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端太材に作用する応力の単位荷重W0=28.6KN/m^2 荷重分担幅=0.9m 梁材長さL=0.6m 許容引張力Tf=20.5KN/本 |
照査結果について
荷重負担面積 A は、0.9m×0.6m なので、
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A=0.9*0.6=0.54m^2 |
セパレータ 1 本あたりに作用する引張力 T (kN/m2)は、荷重分担面積に作用するコンクリート側圧なので、
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T=28.6*0.54=15.4KN/本 15.4KN/本<Tf=20.5KN/本 →OK!! |