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【おすすめの安全帯】墜落制止用器具の選び方と厳選アイテムをご紹介

建設現場に入場するために不可欠な安全具がいくつかありますが、皆さんはご存知でしょうか。

今回紹介する安全帯(墜落制止用器具)もそのひとつです。これらの安全器具を装着していないと作業員はもちろんのこと、来客であっても現場(作業所)への入場は通常認められません。

今回は、この安全帯(墜落制止用器器具)にまつわる法改正と選び方、おすすめの商品について見ていきましょう。

そもそも安全帯とは

安全帯とは高所での作業時に墜落が生じた場合、ロープで体をつなぎ止める器具のことです。安全帯を使用する業界としては、造船業、林業、鉱山そして電柱作業等がありますが、ここでは建設現場における安全帯に限定して話を進めていきます。

安全帯は高所作業に必須な道具の一つ

高所作業時に落下を防止するための道具の一つ
命を守るために非常に重要な道具である
大まかであるがランヤード(命綱)と柱など支持物に固定するためのフック、着用者の身体を保持するベルトの構成からなっている
2m以上での作業において、作業床または囲いなどを設けることが困難な場合、安全衛生規則518条および519条より安全帯の着用は義務付けられている

安全帯の種類

安全帯は大きく分けて、「胴ベルト型」と「フルハーネス型」の2種類があります。

今までは「胴ベルト型」が安全帯の圧倒的なシェアを占めていました。腰部にバックルの付いたベルトを装着して、そのベルトにランヤードと呼ばれる命綱が付いています。脱着に面倒なことはなく、使いやすいごく一般的な安全帯です。

対してフルハーネス型は、胴部の他に腿や肩にもベルトを通し、胴体全体を保持する安全帯です。

胴ベルト型と比較した際、ベルトが体から抜け落ちる可能性が極めて低いことや、落下時の衝撃を肩ベルト、腿ベルト、骨盤部ベルトで分散させるので、内臓や脊髄が保護され損傷を受けにくい利点があります。

保護具としてはより良い性能を発揮するため、発展途上国を含む諸外国においてはフルハーネス型が主流となっています。

安全帯に関する法改正とその影響

国土交通省による安全帯についてのガイドラインを公表

労働安全衛生法(安衛法)が改正され、2019年2月1日から施行されました。そして安全帯に関して根本的な変更がありました。現在は移行猶予期間にあたり旧規格品も使用できますが、2022年1月2日から完全実施となります。

具体的なガイドラインはこちらにまとまっていますので、必ず確認しておくようにしましょう。

国土交通省ガイドライン

法改正・ガイドラインのポイント

1:名称が「安全帯」から「墜落制止用器具」に変更

「安全帯」と呼ばれていましたが、正式名称が「墜落制止用器具」に変わります。

2:6.75m(建設業では5m)以上の場所ではフルハーネス型安全帯を使用の義務付け

5m以上では「フルハーネス型」の使用義務が生じています。建設現場においては5m以下の場合に限り、『胴ベルト型』の使用が可能になります。

「胴ベルト型」についても、新規格(新法令)に適合したものを使用する必要があります。5m以下であっても旧規格タイプの「胴ベルト型」は使用できません。

3:フルハーネス型安全帯を使用するには、特別教育の受講が必要

この点に関しては、フルハーネス型安全帯を使用する場合に例外なく特別教育の受講をする必要があるわけではありません。下に挙げる現場に該当する場合においては、特別教育の義務が生じます。

・作業高さが2mを超える状況において、作業床を設置することができない場所。
・作業床はあるが、手すりなどが十分でなく墜落の危険がある場所。

つまり、作業床を設置できない屋根上、鉄骨上等において、フルハーネス型安全帯を装着して作業する場合です。要するに足場上で作業をされる方は、フルハーネス型安全帯の特別教育の必要はなくなります。

安全帯の選び方は?

では、この新しい法令とその規格の下で、どんな安全帯を選んだらよいのでしょうか?今回は、法改正によって、今後日本でもさらにシェアを広げるであろう『フルハーネス型』が、どんな安全帯なのか、見ていきましょう。

フルハーネス型安全帯は『ハーネスベルト』と『ランヤード(命綱)』で構成されています。

ハーネスベルト部分の種類

腿ベルト

「腿ベルト水平型」と「腿ベルトV字型」に大別されます。

水平型:圧迫感が少なく作業者から人気があるようです。しかし、落下時にはずり上がって、体を圧迫してしまうリスクがあります。

V字型:腰部を包み込んで保持する構造です。水平型に比べて保護性能が高く、今後は主流になることが予想されます。

背面(背中)ベルト

主な背面(背中)ベルトを2種類紹介します。

X型:クロス型で身体をしっかり固定し、フィット力が強く身体を安定させます。世界的に見ても標準的なタイプです。

Y型:腰回りに工具をつけたり腰袋を装着するための胴ベルトを使用する時に、腰部の

結合部分が少ないためより腰袋や工具をセットしやすくなっています。腰回りの作業性を重視する場合におすすめです。

バックル

ハーネスベルトを締めるバックルには二種類あります。

スライドバックル式:バックルにベルトを通して装着する通常のタイプです。安全帯のベルトバックル部分は安全保持のためあえて複雑に作られており、慣れないと装着に手間が掛かります。

ワンタッチバックル式:このワンタッチバックル式はスライドバックルに比べ着脱に要する時間と手間が大幅に軽減できます。安全面を担保するために、外す時には2アクション必要な作りとなっていますが、着脱の仕方は非常に簡単な構造です。

ランヤード(命綱)部分の種類

今回の法令改正において、ランヤードに関してはショックアブソーバー付きが不可欠になりました。

ショックアブソーバは、 墜落時に衝撃が加わった際に、縫い合わされた2枚の緩衝用ベルトの縫製部のカラミ糸が順次切断されて引き裂かれることにより、衝撃を緩衝する機構です。

主なランヤードの種類を紹介します。

ロープ式

胴ベルト型では様々な種類のロープがありますが、フルハーネス型ではバリエーションが限られるようです。ブレードロープや三つ打ちロープそして平綱のタイプがあります。

リール式(巻取タイプ)

巻き取り機能が付いた安全帯ランヤードです。作業員が必要な分だけ自分でランヤードの長さを調整でき、不要な部分は巻き取ってくれます。

じゃばら式(伸縮タイプ)

使わない時には短く縮んでいますので、移動時の引掛かりが防げます。また軽くて、人に寄り添って動くので非常に扱いやすいランヤードです。

2丁掛式(ツインランヤードタイプ)

ランヤードが2本装備されているタイプです。高所作業時の移動をする際には、必ず片方のフックのみを外して次へ引っ掛けます。その後、もう片方のフックを取り外して移動します。

これでフック掛け替え時に起こりやすい、命綱がない状態での墜落を防止します。大手ゼネコンの現場では、義務化している場合もあるようです。

フルハーネス型の腰袋・サスペンダー・クッション性パッド

従来の『胴ベルト型』では胴ベルトに腰袋(道具袋)や工具を吊るすため、腰部のクッションとして『腰当て』を装着したり『サスペンダー』を使って腰袋や工具の重みを肩部等に分散していました。フルハーネスでは、これらのクッション性能を持った製品はあるのでしょうか。

腰袋(工具袋)と腰当(サポーターベルト)

胴ベルト型では使用する工具を現場内で持ち運ぶために、通常は腰袋(工具袋)や工具自体を胴ベルトから吊るしていました。

フルハーネス型ではランヤード装着のためには胴ベルトを使用しませんが、腰袋や工具を吊るす目的で胴ベルトを装着します。

そして、腰袋や工具を装着して重くなった胴ベルトから腰を保護するための、クッション性のある腰当(サポーターベルト)も従来どおり使用できます。

ただし胴ベルトに多くの工具や腰袋を吊るす場合は、Y型ハーネスベルトがおすすめです。

胴から腰にかけて結合部分が少ないため、より腰袋や工具をセットしやすくなっています。

サスペンダーとクッション性パッド

腰袋と工具を提げた重い胴ベルトの重量を分散するために、胴ベルト型ではサスペンダーを使用する作業員もいます。一方フルハーネスには『H型』と呼ばれるハーネスベルトがあり、このハーネスベルトに胴ベルトを通して固定すると、胴ベルトに吊り下げた工具の重量を肩に分散させることができます。つまりハーネスベルト自体がサスペンダーのような機能にもなり、『サスペンダー効果』と呼ばれています。

また、ハーネスベルトが身体を圧迫する部分(肩・背中・腿)に当てることにより、クッションの役割を果たす補助パッドも用意されています。

ここまででフルハーネス型の構成部材を見てきましたが、現場の状況や仕事内容に合わせてふさわしいパーツを検討できるでしょう。

耐用年数を知って定期的に買い換えること

ロープ、ランヤード、ストラップは使用開始より2年、それ以外は3年を目安に交換するように推奨されています。この期間を大幅に超えて使用することがないようにしましょう。

使用開始時に油性マジックなどで使用開始年月を記入するなど、明確に使用開始からの時間が分かるようにしましょう。もちろん、ベルトの擦り切れ、損傷、変色、溶解、焼損など損傷が見受けられたら、すぐに仕様を中止し、買い替えましょう。

また、未使用でも製造から7年以上経過しものは使用するのは危険とされています。

対荷重は体重85kgを基準に安全試験を行なっています。装備を入れて100kgまで耐えられるように設計されているんですね。そのため、装備込みで100kgを超える場合は、対荷重の大きいランヤードを用意しましょう。

フルハーネス型安全帯のメーカーとおすすめ商品

製造メーカーと現場で役立つフルハーネス型安全帯を紹介します。

TJMデザイン

TAJIMAブランドを展開するハンドツール分野において圧倒的シェアを誇るトップメーカー。

安全帯分野では後発ながら、職人の心を奪うこだわり商品を送り出しています。

蛇腹ダブル L2セット A1GSMJR-WL2BK

2丁掛仕様。肩に負担をかけない46mm幅広ベルト、体の動きを妨げないアクティブフィット構造、束縛感の少ないY型ベルト、伸縮するので邪魔にならない蛇腹式ランヤード等を採用しています。SEGシステムにより腰周りが広く使えるので腰袋や工具を装着しやすいタイプです。

3Mジャパン

世界中で産業資材を供給する有名メーカー。フルハーネス型安全帯では欧米を中心に展開し、世界75カ国以上の国と地域で年間約100万個のフルハーネス型安全帯を出荷しています。2017年に満を持して日本の安全帯市場へ参入を果たしました。

DBI-サラ エグゾフィット ライト フルハーネスH型 1114113

サイドループを採用することで上下のベルトが独立するので、激しく動いてもベルトが邪魔しません。H型ハーネスベルトによりサイドループに胴ベルトを通せば、重い腰道具を肩で支えることができサスペンダー的な機能を発揮します。大手建設会社との意見交換通じて開発された、建設現場で使いやすいモデルです。ランヤードは別途購入となります。

基陽

金物の町兵庫県三木市で創業した安全帯や工具のメーカー。日本ではじめてじゃばら式ランヤードの製造販売を開始するなど、職人目線での商品開発と製品づくりを行っています。フルハーネス安全帯にも、こだわりが満載です。

じゃばらストレッチフルハーネス I型 IPGSLTPGK

伸縮性能で評判のじゃばらランヤードを2丁掛仕様にしてあります。さらに骨盤部のハーネスベルトに伸縮する「じゃばらストレッチフルハーネス」によりり軽快な動きを実現。ベルトはI型を採用して腰袋や工具を装着しやすくなっています。

ハーネスH型+2丁掛けランヤード セット HPNBLJPWB2

2丁掛けじゃばらランヤードのセットです。胴ベルトに腰袋や工具を吊るすスペースがあります。ハーネスベルトは、身体の前に2本、後ろに2本の合計4本と他の型に比べて最も多いベルトで構成されているH型を採用しています。胴ベルトに吊り下げた道具の重みを肩に分散する、サスペンダー効果が得られるフルハーネスです。

藤井電工

日本において6割のシェアを占めている圧倒的存在の安全帯メーカー。安価な商品からハイエンド商品までラインナップも豊富です。安全帯に関する問い合わせに対して、親切な対応と分かりやすい説明は王者のプライドを感じます。

レヴォハーネス ツインランヤード付 TH-508-2NV93SV-OT-2R23

腰袋や工具を装着でき、動きやすさと装着性を考慮したY型ハーネスベルトです。このモデルに適した胴ベルトがセットになった仕様のため、腰袋用の胴ベルトを別途で手配する必要がありません。束縛感がない水平型の腿ベルト仕様です。

まとめ

安全帯に関する新法令施工のため、しっかり検討して作業や現場に合った適切な安全帯を選定する必要があります。購入に際して安全帯の知識に不安がある場合は、保安機材販売店に相談したり、安全帯専門のネットショップの情報を参考にするのも良い方法です。

法令に適合した墜落制止用器具を身に着けて、より快適で安全な作業を実現したいですね。

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