労働生産性とは、労働に対し、労働の成果を労働量で割ったものの事を言います。
簡単に言うと、1人で作業をした場合の1時間あたりの仕事の成果を表すようなものです。
オフィスワークや工場であれば1時間あたりの仕事の進展具合はわかりやすいですね。
ですが、土木建築業界では労働生産性は非常にバラツキがあり、場合によっては本来の2分の1程度しか発揮しないという場合もあります。
それはどういうことなのか、土木建築の労働生産性について解説していきます。
土木建築の生産性を阻害する原因とは
労働生産性が下がる事、つまり阻害を受けてしまう要因がある事から下がってしまいます。
生産性効率は一定の同じ速度という事はなく、多少の上下は存在します。
ですが、条件によって効率は更に低下し通常の半分程度しか進まない事も。
どういった条件で起きるのでしょうか。
天候に左右される建築業界
土木建築では晴れの日でしかできない作業というものがあります。
鉄筋工事では溶接機を用いて鉄筋の圧接の工事、コンクリート打設工事も雨が降ってはする事ができません。
また、晴れの日と雨の日での効率も通常より30%ほど低下するといった事も調査にて証明されています。
他にも風が強い日も僅かながらに影響が出る事から、天候による労働生産性は大きく変化します。
作業員による土木建築の労働力
作業員の経験年数、経験した現場の数からも労働生産性への影響というのは発生します。
経験年数が長ければ業務への効率は非常に上がりますが、経験年数が低ければその分生産性は低下していきます。
そういった事から、1つの作業に対し経験年数が低いとその分人数を必要とし、労働への対価が逆に増え生産性に大きく関係を及ぼしていきます。
顧客による要件の変更に伴う工事の進行
土木建築の世界では、顧客からの注文によって建築が行われます。
そして注文された内容によって、工期を定め、工事を行う、そうして工事の仕事量から労働生産量を計算し、手配をかける人数を決め、金額を決定します。
これが通常の流れになります、ではどういった事が生産性を下げてしまうのか。
それは顧客による注文内容の変更、建築物の変更です。
建物で言うと、ここに扉をもう1つつけたい、ここにも壁が欲しい。
そういった事から通常より仕事が増え、本来の生産量が上がり想定と違った事から労働生産量が低下するという事があります。
どの作業場でもよくある事ではありますが、その分人数、対価が増えてしまい時間もかかってしまう部分です。
労働生産性をあげるためにできること
以上の点から労働者への負担が発生します。
しかしそのまま続けていくと作業へ手配する労働者、そして対価が増えてしまう為労働生産性は下がってしまいます。
ではどうすれば労働生産性をあげる事ができるのでしょうか。
天候を読み、事前に対策をする仮設計画
天候に影響の出る仕事ではそのままの意味にはなりますが、天候を読んで手配する事が労働生産性をあげる方法になります。
今では週間天気予報というものがあり、2週間天気予報なんてものも存在します。
遠い日の分確率も下がりますが、それを参考に雨が降る前に雨養生の対策をする等、そういった事前の仮設計画や、雨の日からずらして工程を組みなおすといった方法を使う事で労働生産性は天候が悪い時と比べ大きく差が出ます。
現場によっては、外部足場のメッシュシートを防音シートや防炎シート等の硬質な物に変える事で雨から外壁を防ぐといった方法や、
外部足場の上にフラットパネルで屋根を作ることで上からの雨を防ぐ方法等複数存在します。
その時の現場の状況に応じた仮設建築をしていきましょう。
作業員の適正配置による労働力のカバー
作業員には適正というものがあります、人間でいうところの得意と不得意のようなものです。
こんなことであがるものなのかと思いますが、これだけで20%程差が出る事が調査にて証明までされています。
そういった部分を考慮した配置を行う事で通常より大きく上がります。
またこういった内容は上記で説明した経験年数も関係があり、経験年数の多い作業員が主要の部分での作業を行い、経験年数の低い作業員には材料の配備をといった適正配置によっても変わっていきます。
まとめ
土木建築での労働生産性は通常と違い、教育だけではなく天候や条件によって大きく差が出てしまいます。
天候での左右、顧客からの要件の変更、そして作業員による作業量等、様々な要因による生産性の低下がありました。
ですがその分それらに応じたしっかりとした対処、対応をする事で低下はある程度抑えられます。
そういった事から各現場での工程の遅延も対応できているからこそ滞ることなく進んでいます。
ですが、例外としてコロナウィルスによる緊急事態宣言等が出た場合は施主様との相談によって工期の延長を行う事もできますので場面に沿った対応が必要になります。
土木建築の生産性を下げないようにする為にも仕事の量、それに対する生産量を比較し、効率よく生産性をあげていきたいですね。
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