建設業界の職種といっても管理部門から施工部門まで、幅広く多種多様です。
それらすべての職種の仕事内容をご紹介しようと思うと、残念ながらこの記事だけでは語りつくせません。
そこで、幾つかの仕事を抜粋してご紹介していきます。
設計部門の仕事

出典:Pixabay(https://pixabay.com/photos/drawing-architect-designer-plan-1919080/)
設計部門の仕事には、以下の様なものがあります。
- 設計士
- CADオペレーター
- 建築模型アーティスト
- 積算
この内、資格がなければ仕事が出来ないのはビルや受託の設計を行う建築設計士のみです。
道路や橋などの設計を行う土木設計の場合には建築設計士の様な資格はなく、乱暴に言えば知識さえあれば出来てしまいます。
CADや積算では、民間資格がありますが仕事をするために必要な資格というよりは、脳力を証明するための資格といった位置づけです。
設計士の仕事
図面を描くだけの仕事と思っている方も少なくないのが、設計士という仕事です。ですが、図面を描くだけであれば資格を必要としないCADオペレーターにも出来ます。
設計士の仕事は図面を描くことではなく、建造物や建築物の計画を立て実現可能なデザインを考え、そこから構造を描き起こしていくことなのです。
設計の種類
大手ゼネコンなどになると、設計士と言っても一から十まで全てを担当することはありません。
意匠設計
意匠設計は、世間の人がイメージしている設計の仕事そのものと考えても良いでしょう。
施主が持つ建築コンセプトなどからイメージを作り上げ、設計図面を描き起こします。
構造設計
意匠設計を基に耐震構造・耐荷重構造などを考え、建物を支える構造部を設計します。ここで、構造計算なども行われ、設計監理業務担当します。
設備設計
電気設備や空調設備、配管設備など、人が滞在する建築物に必要不可欠となる設備の設計を専門に担当します。
また、この設備設計も電気設備設計・機械設備設計・空調設備設計・衛生設備設計と分類し、それぞれに担当者が付くこともあります。
施工部門の仕事

出典:Pixabay(https://pixabay.com/photos/construction-site-crane-228470/)
施工部門、つまり工事を担当する部門です。職種には以下の様なものがあります。
- 測量士
- 施工管理技士
- 大工
- 鳶(とび)
- 鉄筋工
- 左官
- 塗装工
- クレーン運転士
- フォークリフト運転士
- 板金工
- 石工
- 屋根葺き など
施工管理技士は管理するモノによって様々
施工管理技士と一言で言っても、管理するモノによってその資格や団体に違いがあります。
建築施工管理技士
建物の建築工事現場において、施工にたずさわる職人さんのマネジメントを行い、現場の管理・監督も行います。
土木施工管理技士
橋や道路などの施工現場において、施工にたずさわる職人さんのマネジメントを行い、現場の管理・監督も行います。
電気工事施工管理技士
電気工事の管理・監督をします。その業務の中には施工計画の立案や、安全管理・品質管理といった管理業務まで含まれます。
管工事施工管理技士
建造物の中には上下水道の配管だけでなく、ガス管・空調管など、様々な管が配置されています。それら管工事の施工計画を立案し、安全管理・工程管理・品質管理を行います。
その他の管理技士
建設機械施工技師と造園施工管理技士といった仕事もあります。
大工は造るものによって3つに分類される
一般的に大工と聞けば、木造住宅を建てる職人さんを思い浮かべるでしょう。ですが、木造住宅以外のモノを作る大工さんもいます。
型枠大工
コンクリート建造物を作るときに必要となるのが、この型枠大工さんです。
コンクリートは固まる前は実は液状に近い状態で、木の板などを使って枠を作ってあげないと流れていってしまいます。型枠大工さんは、組まれた鉄筋に沿って建造物の形を考えながら板を組み上げていく仕事をします。
宮大工
木造建築を支える技術を持っている大工さんの中でも、特に高い技術を要求されるのが宮大工と呼ばれる方々です。
彼らが携わる主な仕事は現存する神社仏閣や城などの維持・補修です。古い建築技術を知り、古の大工の技術を受け継ぐ仕事でもあるのです。
大工
木造住宅などの建築に携わる仕事をします。鉋やノミなど、手作業での技術が求められる仕事でもあります。
番外編:今も残る穴太衆~石工の仕事

出典:tumblr「株式会社粟田建設公式」(https://awatakensetsu.tumblr.com/)
穴太衆と言えば安土城をはじめ多くの城の石垣を組み上げた石工の集団です。その技術を受け継ぐ子孫が今も滋賀県で石工の仕事をしています。
その高い技術は世界も認ているのです。
アメリカ合衆国ダラスに穴太積みの石垣が出来たのは2017年です。隈研吾氏が設計をしたロレックスビルの足元を穴太積みの石垣が支えているのです。
この仕事は、現地採用のメキシコ人とアメリカ人の石工を使って行われましたので、言葉の壁や技術力の壁など多くの問題を抱えた困難を極めるものでした。
それでも、彼の技術力の高さを知りその技術を学びたいと志願してきたアメリカ人石工の協力もあり、造り上げることが出来たのです。
現代の日本において、穴太衆としての仕事は現存する石垣の補修工事程度です。それでも、その技術を未来に残す取り組みを彼は続けているのです。
まとめ
建設業界は、住宅・ビル・道路・橋など、人の生活を支えるモノを造る職人が活躍する業界です。
職種によっては国家資格が必要となるものもありますが、その多くは自分の技術力で仕事の幅を広げることが出来る職人です。
そして、その多くが古から続く技術を未来につなぐという、魅力ある仕事をしているのです。
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