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優良な実習実施者になるためのポイント

建設業界では人材不足が深刻化しています。

特に専門工事業者の「職人」の高齢化が深刻で、10年後には50万~100万人の人材不足が発生すると国土交通省が試算しています。

人材不足を解消するには一人当たりの生産性を向上させるか、もしくは外国人人材に頼るしか現状は方法がありません。

海外から人材を求める方法の1つとして、外国人技能実習制度があります。

「優良」と判断される実習実施者の基準や、そうなることのメリット、どのようにすれば優良認定されるのかを見ていきましょう。

技能実習制度について

外国人実習制度とは、発展途上国より若く意欲的な外国人を技能実習生として日本に受け入れ技能の習熟を図ってもらうという政府公認の制度です。

日本の技術を学んでもらい、帰国後に母国の経済発展を担えるような、優秀な人材育成を目的としています。


JITCO 公益財団法人国際人材協力機構 HP参照

優良な実習実施者とは

「優良」な実習実施者とは、一定の基準を満たし、どんな技能実習生も指導できる企業のことを言います。

企業がこのような優良な実習実施者を獲得していると様々なメリットを受けることができます。

指導がきちんとできることが証明されれば、継続して技能実習生を雇用でき、慢性的な人手不足を解消できるチャンスが訪れます。

優良な実習実施者の基準

優良な実習実施者になるための基準は点数制となっており、様々な要因で判断されます。150点満点中90点以上で「優良」な実習実施者です。

細かな制度採点方法は外国人技能実習機構のホームページから参照することができます。

OTIT 外国人技能実習機構

記載例【参考様式第1-24号】優良要件適合申告書(実習実施者)

主な採点ポイントを見ていきましょう。

技能の習得実績

実習実施者は、業界で必要となる技能を習得させていると得点が上がります。

「優良」な実習実施者を目指すならば、実技試験をクリアする実習生の数が非常に重要になります。

過去に合格実績があっても古い内容であれば認められません。過去3年以内の合格実績で評価されるため定期的な更新が必要です。

随時三級試験の合格率は約40%

3年目に受ける随時三級の試験に合格させることは、優良な実習実施者になるために必要不可欠です。

しかし、随時三級の合格率は約40%と難関です。

文化も言葉も違う実習生に一人前の技能を教えるのは非常に難しいことなのです。

法令違反等の発生状況

得点がマイナスとなってしまうものとして代表的なものが法令違反などの発生状況です。

過去3年以内に改善命令を受けたことがあるなどした場合にはマイナスが付きます。

逆に違反がなければプラスになるため、これから「優良」な実習実施者を目指すなら過去3年の企業の出来事を整理しておきましょう。

技能実習生への支援体制

実習生に対する考慮も優良基準に反映されることを忘れないようにしましょう。

得点はそこまで高くはないものの、実習生の言語で支援ができる体制が整っていると判断された場合には点が入ります。

全ての母国語で相談が可能な相談員を確保していれば、得点はさらに伸びます。

技能実習生への待遇

実技実習生への待遇の良し悪しも得点アップの要です。

特に給与関係が重視されており、最低賃金がいくらかなどによって得点に差が出ます。

昇給をいつどれくらい行ったのかなども優良基準に反映されるので注意しましょう。

「優良」な実習実施者になるメリット

優良な実習実施者になるには、上記のような優良基準を満たして得点を得る必要があります。

大変な準備をしてまで優良な実習実施者になるメリットはあるのでしょうか。

実習期間の延長が可能

優良な実習実施者になれば技能実習生の受け入れを3年から5年に延長できるようになります。

より知識と経験がついた技能実習生との契約期間を2年間延長できるのであれば大きな戦力となります。

受け入れ人数枠の拡大が可能

実習実施者になれば何人でも技能実習生を受け入れられるわけではありません。人数には限りがあります。

しかし、監理団体と実習実施者の両方が優良であると認められている場合には、そのどちらかが優良でない場合と比べて2倍の人数の技能実習生を受け入れることができます。

基本となる技能実習生の受け入れ人数は、実習実施者かつ常勤職員数の人数に応じて変動します。

「優良」な実習実施者になるためのポイント

では、今度は「優良」な実習実施者になるためのポイントに着目していきましょう。

技能実習責任者を設置する

作業服を着た男

現状、日本にやってくる技能実習生の大半は、「単なる出稼ぎ」が目的の場合がほとんどです。

出稼ぎ目的の実習生は、知識の獲得・技能の取得に貪欲ではありません。

彼らは、ただ3年から5年の実習期間を単なる肉体労働という認識で過ごし、休日には東京観光などで有意義な時間を過ごして帰国するつもりでいるので、日本で培った技術を母国の繁栄に繋げる試みはおそらく皆無でしょう。

まずは、このような甘い考えの外国人実習生の考えを正すことが必要です。そのために技能実習制度を熟知している責任者をしっかり設定しましょう。

面談の時には法令の目的に沿った人材なのかどうか見極め、そうでない人材の場合は技能実習の目的を理解させる必要があります。

就業規則・人事評価制度を充実させる

厚生労働省をはじめ、国は多くの助成金を設定して中小企業を援助してくれています。

国の定める方針に沿って外国人実習生が気持ちよく働ける環境を整えれば経営リスクを低減させることができます。

最低賃金の底上げが話題になっていますが、賃金アップを実施することで給付される助成金も多く存在しています。

厚生労働省 ホームページ

随時三級の合格のためには熟練の作業者にチェックしてもらう

随時三級の試験合格率は約40%と難関です。

合格率が低い原因は、実習実施者の指導不足です。

言葉が通じない分、手取り足取りうまくコミュニケーションをとらないと学習スピードは上がりません。

間違えて覚えた技能をそのまま試験でも使ってしまうと、実習生は随時三級の試験に合格できません。

試験対策期間をしっかり設けて、熟練の作業者に技能をチェックしてもらうことは非常に重要です。

日本語能力試験N2レベル合格の学習支援を行う

実習生本人たちは日本で働きたいという希望をもって日本に来たことは間違いありません。

企業側は彼らの可能性を広げるような教育をしていく必要があります。その一つは日本語能力試験です。

外国人の雇用を希望する日本企業の多くは、外国人に日本語スキルを求めています。

応募条件を見ると日本語能力試験のN2以上を指定する企業がとても多いです。

実習生にN2レベルの日本語を会得させることを一つの目標とし、サポートしてあげることは彼らの将来にもつながります。

実際に日本語のテキストを支給してあげると彼らは非常に喜んで、日本人とコミュニケーションをとる頻度も多くなります。結果として仕事にも非常に熱心に取り組むようになります。

住環境にWi-Fiは必須

実習生の多くは携帯電話を契約していませんので、住環境にWi-Fiを用意することは重要です。

連絡手段は主にfacebookのメッセンジャーを好む実習生が多いです。

まとめ

「優良」な実習実施者になるには時間も労力もかかります。

優良基準を満たすための努力を考えると大変かもしれませんが、もともときちんと法令に乗っ取って営業している企業ならさほど点数獲得に困ることもありません。

非熟練労働者に対して、「背中を見て技術を盗め」という技能の承継の仕方ではなく、熟練技能者の技をできるだけ短時間で承継してもらう仕組みづくりが大切です。

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