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建設業におけるコロナの影響

新型コロナウイルスの感染が全国的に広がり、健康面だけではなく経済にも影響を及ぼしています。

建設業についても新型コロナウイルスの影響を受けています。

ここでは、建設業におけるコロナの影響を取り上げますので、参考にしてください。

緊急事態宣言で工事中断のゼネコンやハウスメーカー続出

新型コロナウイルスの感染拡大から、政府は一部の地域から全国に緊急事態宣言を拡大しました。その後、緊急事態宣言から大手ゼネコンやハウスメーカーは工事中断への舵取りを進めることになります。

大手でも当初は工事を継続していく方針をとる業者もありましたが、作業員に新型コロナウイルスの感染者が出たことにより、工事を中断せざるを得なくなりました。大手の業者が工事を中断することにより、下請けにも影響が出ることになります。

工事中断により一人親方など下請けにも大きな影響が

工事が中断することで、大手ゼネコンやハウスメーカーの下請け業者にも当然ながら影響がでています。

なかでもその影響を大きく受けているのが、ひとり親方と呼ばれる個人で工事を請け負っている人々です。工事を継続している現場でも稼働は建設会社が優先となり、ひとり親方には仕事が回ってこない状況が発生しました。

工事中断により費用負担や納期遅れの問題も発生か

工事を中断することでさまざまな問題が発生しています。工事中断中であっても、機材のリース代などコストが必要です。また、下請け業者に対する補償どうするかも考える必要があります。

工事再開となれば、納期に間に合わせるために作業員を増加させることも考える必要があります。建設業界は人手不足により人件費が高騰しており、コストが膨らむ可能性も高いです。

マンションなどの建設であれば、入居予定者がいるため工事期間の延長をすると補償問題になりかねません。このように工事の中断は、多くの問題を発生させています。

雇用抑制にもつながっている

国内でも感染者が増えてきた3月以降、建設業界内の雇用にも影響が出ています。特に顕著となったのは、企業が求める求人数とその割合を示す求人倍率が低下です。

国内で感染者が最も多い東京都では、3月の建設業新規求人数が前年同月比で23.9%減少し5294人まで落ち込みました。これは全産業でみても卸業・小売業に次ぐ2番目の数字となっています。

新型コロナウイルスが雇用に大きな影響を与えている一方で、受注や施工統計にはさほど影響が出ていないのも特徴です。しかし、受注や施行も今後、影響を受けないとは言い切れないでしょう。

建設業者の5割弱が今後、数ヶ月の売上減少を懸念

4月6日に群馬建設業協会は、新型コロナウイルス感染症に関する調査結果を発表しました。その結果をもとにすると、約半数の業者が工事への影響があった、もしくは今後出てくると回答しています。

特に民間工事では発注者が景気の悪化を懸念して、当初の工事計画の見直しなど受注にも影響が出ています。東京オリンピックをはじめとする各種イベントの中止や延期もあり、建設関係業者の縮小も懸念されています。

それらの影響もあり、今後2〜3ヶ月後の売り上げに関して「大きく減少する」「減少すると思う」という回答の合計が約47%になりました。売り上げに関して不安を抱く業者が多い結果となっています。

参考:新型コロナ/民間建築は新規受注にも影響/半数が売上減少を懸念/群馬建協が第2弾調査

緊急事態宣言の解除を受けて工事再開の動き

5月14日に39県で緊急事態宣言が解除されると、解除地域において工事再開の動きがみられました。大手ゼネコンのなかには、緊急事態宣言が継続している都道府県においても感染対策をとることを前提に発注者と工事再開を協議している業者もあります。

また、政府や各自治体もさまざまな対策とっています。国土交通省は感染症予防対策ガイドラインなどを公表しました。そのなかには、現場での感染症対策だけではなく、資金面でも方針も明らかになっています。

自治体での対応では企業の合併を行う際に補助金を出すところもあります。この状況下で国も自治体も建設業者を守る取り組みが明らかになりました。

参考:新型コロナウイルス感染症対策|国土交通省
参考:福島県建設企業合併等支援事業補助金

建設業界にもテレワークが拡大

建設業界は現場仕事のイメージが強く、テレワークには縁遠いように思えます。しかし、テレワークを取り入れて感染防止対策を敷いています。

たとえば、設計情報をクラウドで共有することにより設計技術者が在宅勤務で仕事をすることが可能です。会議やミーティングについても、Web会議を導入し在宅勤務者同士が打ち合わせを実施すれば感染防止につながります。

施行管理は現場での仕事が多いですが、日報の作成や現場写真の整理、図面管理などはオフィスではなく、現場や自宅で行うことで感染防止につながるでしょう。

実際、このようなテレワークの取り組みは新型コロナウイルスの感染拡大前から行われてきました。総務省が発表した「平成30年(2018年)通信利用動向調査」ではテレワークの導入率が産業別にだされています。

建設業は18.8%となっており、産業別にみたテレワークの導入率は5番目です。意外とも思えるテレワークの導入率の高さは、時間外労働の多さやワークライフバランスの改善が大きな課題となっていたことが考えられます。

人手不足から生産性向上が必要となっていることもテレワーク導入に影響を与えているでしょう。

しかし、テレワークにより「連絡や指示がうまく伝わらない」「なかなか連絡が取れない」「検査や打ち合わせの簡素化が図れず、結果として進捗にも影響している」などの課題も浮き彫りとなっています。

参考:平成30年(2018年)通信利用動向調査|総務省
参考:発注者のテレワーク、連絡体制に課題/群馬建協がコロナ影響調査

まとめ

新型コロナウイルスの影響は建設業界にも及んでいます。工事中断やそれに伴う下請け業者への影響、雇用の低下などさまざまな問題が発生しています。

しかしながら、緊急事態宣言の解除を受けて工事も再開し始め、テレワークの導入など働き方の改善も始まりました。

まだまだ先がみえない状況ながらも、建設業界は前に進んでいるといえるでしょう。

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