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建設労働者技能実習コースとは、どんな助成金なのか?

建設業に携わる企業の多くが個人事業であり、中小企業です。更に、技能者・技術者ともなれば、一人親方も少なくありません。

しかも、建設現場での労働者の多くが非正規雇用であり、当然技能継承や技術向上などが行われることもないでしょう。

しかしながら、それではいつまでたっても人材が育つことが無く、安定した雇用にもつながりません。

そこで、中小の建設事業主やこれら建設事業主が構成員を務める団体を対象に、労働者の育成・技能継承を図った場合に助成を行うこととして設けられたのが、この「建設労働者技能実習コース」です。

2種類ある技能実習コース

技能実習コースでは、2種類の助成金を受給することが出来ます。経費助成と賃金助成です。

経費助成

「経費助成」は、中小建設事業主が雇用している労働者に対し、有給で技能実習を実施、または受講させた場合に、その経費を助成するというものです。

受給できる資格があるのはどんな人?

受給資格があるのは、以下に該当する中小建設事業主と建設事業主団体です。

【受給資格のある建築事業主団体】
  • 技能実習を実施する以下の要件をすべて満たす中小建設事業主団体
    • 団体構成員の内、建設事業主が50%以上占めている
    • その建設事業主の内、中小建設事業主が2 / 3以上を占めている
    • 構成員である建設事業主の内50%以上が雇用保険に加入している
    • 技能実習の受講者の内2 / 3以上が「Aの中小建設事業主」に雇用されている建設労働者、および「Bの中小建設事業主」のうち、「Aの事業所」に雇用される建設労働者
  • 中小建設事業主団体以外の建設事業主団体が、女性建設労働者に技能実習を行う場合は、この建設事業主団体
【受給資格のある建設事業主】
  • 以下のいずれかに該当する中小建設事業主であって、技能実習を実施するもの
    • 「Aの中小建設事業主」
    • 「中小建設事業主」であって、技能実習の受講者の2 / 3以上が、この企業の「Aの事業所」に雇用される建設労働者と、下請けである「Aの中小建設事業主」で雇用されている建設労働者であること
    • 「雇用管理責任者」を選任していること
  • 雇用している雇用保険被保険者である建設労働者に、所定の時間内に受講させ、その期間の所定労働時間に労働した場合に支払われる通常の賃金の額以上の賃金を支払った場合
    • 所定労働時間外、または所定労働日以外の休日に実施する技能実習を受けさせた場合、所定の賃金の支払い等を行っていること
    • 時間外労働として、割増賃金を支払っている
    • 別の所定労働日に、遅刻・早退などで時間調整をする など

この様に、支給対象となる事業主や事業主団体に対し、細かい条件が付けられています。

詳細については厚生労働省が発行しているパンフレットや、「支給要領」を確認しましょう。また、地元の労働局で相談しましょう。

支給対象となるのは何がある?

助成金支給の対象となる、労働者、技能実習、費用についてご説明します。

【算定の対象となる労働者】

まずは、算定対象となる労働者についてご説明しましょう。

以下の条件を満たしている建設労働者が算定の対象となります。

  • 次のいずれかに該当する雇用保険被保険者である建設労働者
    • 訓練時間数の内7割以上の時間を受講したもの
    • 助成対象となる技能実習を実施する「Aの中小建設事業主」に雇用されている
    • 助成対象となる技能実習を実施する「Bの中小建設事業主」のうち「Aの事業所」に雇用されている
    • 助成対象となる技能実習を実施する「A又はBの中小建設事業主」と直接の下請け関係にある「Aの中小建設事業主」に雇用されている
【支給対象となる技能実習】

以下に該当する技能実習が助成金支給の対象となります。それ以外の実習は対象外となりますので、しっかり確認しておきましょう。

  • 以下の条件をすべて満たすもので、かつ、以下の表で○が付いている技能実習
    • 1日1時間以上
      • 以下の表の1番、5番、7番は合計10時間以上
    • 技能実習の期間は、最長でも6ヶ月以内
    • 以下の表の1番と5番の実習指導員は、以下の要件のいずれかを満たす者であること
      • その実習内容に直接関連する職種に関する職業訓練指導員免許を持っている
      • 1級技能検定に合格している
      • その他、管轄労働局長が①、②と同等以上の能力があると認める
<建設事業主の場合>
No 実習内容 中小建設事業主が自ら実施 登録教習機関が実施する実習を受講 登録基幹技能者講習実施機関が実施する実習を受講 職業訓練法人が実施する実習を受講 所属する中小建設事業主団体が実施する実習を受講 建設事業主が自ら実施 所属する建設事業主団体が実施する実習を受講
1 建設工事における作業に直接関連する実習で2番~6番以外のもの ×
2 労働安全衛生法で定める特別教育(別表1参照) ×
3 労働安全衛生法に基づく危険有害業務従事者に対する安全衛生教育(別表2参照) ×
4 労働安全衛生法に基づく教習及び技能講習(別表3参照) × × × × × ×
5 職業能力開発促進法に規定する技能検定試験の為の事前講習(別表4参照) ×
6 建設業法施行規則に規定する登録基幹技能者講習(別表5参照) × × × × × ×
7 技能継承に係る指導方法の向上の為の講習 × × × × × ×
<建設事業主団体の場合>

建設事業主団体が助成金を受給する場合には、以下の訓練内容となります。

No 実習内容 中小建設事業主団体が自ら実施 登録教習機関が実施する実習を受講 職業訓練法人が実施する実習を受講 登録基幹技能者講習実施機関が実施する実習を受講 建設事業主団体が自ら実施
1 建設工事における作業に直接関連する実習(2~6以外のもの) ×
2 労働安全衛生法で定める特別教育(別表1 ×
3 労働安全衛生法に基づく危険有害業務従事者に対する安全衛生教育(別表2) ×
4 労働安全衛生法に基づく教育及び技能講習(別表3) × × × ×
5 職業能力開発促進法に規定する技能検定試験の為の事前講習(別表4) ×
6 建設業法施行規則に規定する登録基幹技能者講習(別表5) × × × ×
7 技能継承に係る指導方法の向上の為の講習 × × × ×

実習内容に関連する別表は以下の通りです。

<別表1:労働安全衛生法で定める特別教育の時間>
区分 特別教育の時間
学科 実技
労働安全衛生規則第36条 時間 時間
第3号 アーク溶接 11 10
第4号 電気取扱い(高圧) 11 15
第4号 電気取扱い(低圧) 7 7
第5号 不整地運搬車(1t未満)の運転 6 6
第9号 小型車両系建設機械(整地・運搬・積込用・掘削用)の運転 7 6
第9号 小型車両系建設機械(基礎工事用)の運転 7 6
第9号 小型車両系建設機械(解体用)の運転 7 7
第10号 ローラーの運転 6 4
第10号の2 車両系建設機械(コンクリート打設用)の作業装置の操作 7 5
第10号の3 ボーリングマシンの運転 7 5
第10号の4 ジャッキ式つり上げ機械の調整または運転 6 4
第10号の5 高所作業車(10m未満)の運転 6 3
第11号 巻き上げ機の運転 6 4
第13号 軌道装置の動力車の運転 6 4
第15号 クレーンの運転 9 4
第16号 移動式クレーン(1t未満)の運転 9 4
第17号 デリックの運転 9 4
第18号 建設用リフトの運転 5 4
第19号 玉掛け 5 4
第20号 ゴンドラ操作 5 4
第20号の2 作業室及び気閘室へ送気する為の空気圧縮機を運転する業務 10 2
第21号 高圧室内作業に係る作業室への送気の調節を行う為のバルブ又はコックを操作する業務 10 2
第22号 気閘室への送気又は気閘室からの排気の調整を行う為のバルブ又はコックを操作する業務 9 3
第23号 潜水作業者への送気の調節を行うためのバルブ又はコックを操作する業務 9 2
第24号 再圧室を操作する業務 9 3
第38号 ①徐線等業務(下段②を除く) 4 1.5
第38号 ②徒弟汚染土壌等取扱業務 3.5 1
第38号 ③特定線量下業務 2.5
第39号 足場の組立て、解体又は変更の作業に係る業務(地上又は頑固な床上における補助作業の業務を除く) 6
第41号 フルハーネス型墜落製紙用器具を用いた業務 4.5 1.5
<別表2:労働安全衛生法に基づく危険有害業務従事者に対する安全衛生教育の時間>
区分 安全衛生教育の時間
5 クレーン運転士安全衛生教育 6
6 移動式クレーン運転士安全衛生教育 6
7 ガス溶接業務従事者安全衛生教育 5
9 車両系建設機械(整地・運搬・積込用・採取用)運転業務従事者安全衛生教育 6
9の2 車両系建設機械(基礎工事用)運転業務従事者安全衛生教育 6
12 ローラー運転業務従事者安全衛生教育 6
15 玉掛け業務従事者安全衛生教育 5
<別表3:労働安全衛生法に定める教習及び技能講習の時間>
<
区分 教習時間又は講習時間
学科 実技
労働安全衛生法第75条別表第17(教習) 時間 時間
2 クレーン運転実技教習 試験及び補習 9
3 移動式クレーン運転実技教習 試験及び補習 9
労働安全衛生法第76条別表第18(技能講習)
5 地山の掘削及び土止め支保作業主任技能講習 17
6 ずい道等の掘削等作業主任者技能講習 13
7 ずい道等の覆工作業主任者技能講習 13
8 型枠支保工の組立て等作業主任者技能講習 13
9 足場の組立て等作業主任者技能講習 13
10 建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者技能講習 11
11 鋼橋架設等作業主任者技能講習 11
12 コンクリート造の工作物の解体等作業主任者技能講習 13
13 コンクリート橋架設等作業主任者技能講習 11
17 木造建築物の組立て等作業主任者技能講習 13
24 酸素欠乏危険作業主任者技能講習 9 3
25 酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習 11.5 4
26 床上操作式クレーン(5t以上)運転技能講習 13 7
10 6
13 6
27 小型移動式クレーン(1t以上5t未満)運転技能講習 13 7
10 6
10 7
13 6
28 ガス溶接技能講習 8 5
31 車両系建設機械(整地・運搬・積込用・掘削用)運転技能講習 13 25
9 25
13 5
9 5
5 5
4 2
32 車両系建設機械(解体用)運転技能講習 13 25
6 5
2 1
9 5
13 5
9 25
3 2
33 車両系建設機械(基礎工事用)運転技能講習 14 25
4 5
6 15
7 15
10 15
14 15
34 不整地運搬車(1t以上)運転技能講習 11 24
7 4
11 4
7 24
35 高所作業車(10m以上)運転技能講習 11 6
6 6
8 6
36 玉掛け技能講習 12 7
9 6
12 6
11 5
11 4
<別表4:建設関連技能検定職種一覧>
番号 検定職種 番号 検定職種 番号 検定職種
1 造園 15 築炉 29 (削除)
2 さく井 16 ブロック建築 30 カーテンウォール施工
3 鉄工 〇17 ALCパネル施工 31 熱絶縁施行
4 建築板金 〇18 (削除) 32 サッシ施工
5 建設機械整備 19 タイル張り 〇33 バルコニー施工
6 冷凍空気調和機器施工 20 畳製作 34 ガラス施行
7 建具製作 21 配管 35 ウェルポイント施工
8 石材施工 〇22 (削除) 36 (削除)
9 建築大工 〇23 厨房設備施工 37 表装
〇10 枠組壁建築 24 型枠施工 38 塗装
11 かわらぶき 25 鉄筋施行 〇39 路面表示施工
12 とび 26 防水施行 40 コンクリート圧送施工
13 左官 〇27 樹脂接着剤注入施行 41 自動ドア施工
〇14 れんが積み 28 内装仕上げ施工 42 広告美術仕上げ
<別表5:各専門工事業団体における登録基幹技能者講習実施状況>
No 資格名称 職種 団体名
1 登録圧接基幹技能者 鉄筋 全国圧接業協同組合連合会
2 登録橋梁基幹技能者 橋梁架設 (一社)日本橋梁建設協会
3 登録PC工事基幹技能者 PC橋梁架設 プレストレスト・コンクリート工事業協会
4 登録電気工事基幹技能者 電気工事 (一社)日本電設工業協会
5 登録造園基幹技能者 造園 (一社)日本造園建設業協会
(一社)日本造園組合連合会
6 登録機械土工基幹技能者 土工・コンクリート (一社)日本機械土工協会
7 登録建築板金基幹技能者 板金 (一社)日本建築板金協会
8 登録鉄筋基幹技能者 鉄筋 (公社)全国鉄筋工事業協会
9 登録サッシ・カーテンウォール基幹技能者 サッシ・カーテンウォール (一社)日本サッシ協会
(一社)カーテンウォール・防火開口部協会
10 登録外壁仕上基幹技能者 外壁仕上工事 日本外壁仕上業協同組合連合会
11 登録型枠基幹技能者 型枠大工 (一社)日本型枠工事業協会
12 登録内総仕上工事基幹技能者 内装 (一社)全国建設室内工事業協会
日本建設インテリア事業協同組合連合会
日本室内装飾事業協同組合連合会
13 登録配管基幹技能者 管工事 (一社)日本空調衛生工事業協会
(一社)日本配管工事業団体連合会
全国管工事業協同組合連合会
14 登録トンネル基幹技能者 トンネル工事 (一社)日本トンネル専門工事業協会
15 登録コンクリート圧送基幹技能者 コンクリート圧送工事 (一社)全国コンクリート圧送事業団体連合会
16 登録鳶・土工基幹技能者 とび・土工 (一社)日本建設躯体工事業団体連合会
(一社)日本鳶工業連合会
17 登録左官基幹技能者 左官 (一社)日本左官業組合連合会
18 登録建設塗装基幹技能者 塗装 (一社)日本塗装工業会
19 登録ダクト基幹技能者 ダクト工事 (一社)日本空調衛生工事業協会
(一社)全国ダクト工業団体連合会
20 登録防水基幹技能者 防水工事 (一社)全国防水工事業協会
21 登録エクステリア基幹技能者 建築ブロック・エクステリア工事 (一社)日本建築ブロック・エクステリア工事業協会
(一社)日本エクステリア建設業協会
22 登録海上起重基幹技能者 土工・しゅんせつ (一社)日本海上起重技術協会
23 登録切断穿孔基幹技能者 とび・土工 ダイヤモンド工事業協同組合
24 登録保温保冷基幹技能者 熱絶縁工事 (一社)日本保温保冷工業協会
25 登録グラウト基幹技能者 とび・土工 (一社)日本グラウト協会
26 登録冷凍空調基幹技能者 管工事 (一社)日本冷凍空調設備工業連合会
27 登録運動施設基幹技能者 運動施設工事 (一社)日本運動施設建設業協会
28 登録基礎工基幹技能者 とび・土工 全国基礎工事業団体連合会
(一社)日本基礎建設協会
29 登録タイル張り基幹技能者 タイル・煉瓦・ブロック ( 一社)日本タイル煉瓦工事工業会
30 登録標識・路面標示基幹技能者 (道路標識)とび・土工
(路面標示)塗装
(一社)全国道路標識・表示業協会
31 登録消防設備基幹技能者 消防施設工事 消防施設工事協会
32 登録建築大工基幹技能者 建築大工 (一社)全国中小建築工事業団体連合会
33 登録硝子工事基幹技能者 ガラス工事 全国板硝子工事協同組合連合会
全国板硝子商工協同組合連合会
  • 以下のすべての要件を満たす技能実習
    • 建設業法で定める技能検定に関する講習で、受講を開始する日に雇用保険法で定める教育訓練給付金の支給対象であること
    • 雇用保険法に定める指定教育訓練実施者が実施
<建設業法で定める技能検定の検定種目>
  • 建設機械施工
  • 土木施工管理
  • 建築施工管理
  • 電気工事施工管理
  • 管工事施工管理
  • 造園施工管理

以上が、助成金の支給対象となる技能講習です。

【支給対象となる費用】

次に、「経費助成」の支給対象となる費用についてご説明します。
「経費助成」ですので、基本的には技能講習にかかった費用に対し、助成金が支給されます。

支給対象費用 基準
事業主自ら実施する場合 指導員謝金 実費相当額(部外指導員に限る)
指導員旅費 実費相当額(交通費に限る)
実習場所の借上料 実費相当額
(一般的に料金表に基づき有料で賃貸されている会場である場合)
教材費、 消耗品代等で技能実習に直接必要とする費用 実費相当額
建設機械の借上料 実費相当額
委託費 委託費
(自ら計画した実習の一部を外部機関に委託する場合)
外部機関が実施する実習を受講させた場合 受講料

以上が、助成金支給の対象となります。

なお、これら受講料などの実費のうち、次のものは助成金の対象外です。

  • 都道府県の職業能力開発施設及び独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の職業能力開発施設が実施している訓練の受講料、教科書代等

助成額

次は、助成額についてご説明します。

助成額についても、中小建設事業主と中小建設事業主団体では多少の違いがありますので、別々にご紹介しましょう。

【中小建設事業主団体の助成額】
  • 中小建設事業主団体の場合
    • 助成対象費用の区分ごとの基準により算定した合計額の4 / 5
  • 中小建設事業主団体以外の建設事業主団体が、構成員である建設事業主が雇用する「女性建設労働者」に対し、技能実習を行う場合
    • 助成対象費用の区分ごとの基準により算定した合計額の2 / 3

ただし、1つの技能実習について、1人当たりの上限額は10万円です。それを超える場合は、助成対象外となりますので、注意しましょう。

また、1つの事業団体に対し、1年度で支給される限度額は、500万円です。この金額は、「経費助成」だけでなく、「賃金助成」も合わせた額となります。

【中小建設事業主の助成額】
  • 技能実習開始日時点での企業全体で雇用する雇用保険被保険者数が、20人以下の中小建設事業主の場合
    • 助成対象費用区分ごとの基準により算定した合計額の3 / 4(10 / 10)
  • 技能実習開始日時点での企業全体で雇用する雇用保険被保険者数が、21人以上の中小建設事業主の場合
    • 35歳未満の労働者の場合
      • 助成対象費用の区分ごとの基準により算定した合計額の7 / 10(4 / 5)
    • 35歳以上の労働者の場合
      • 助成対象費用の区分ごとの基準により算定した合計額の9 / 20(4 / 5)
  • 中小建設事業主以外の建設事業主が自ら雇用する「女性建設労働者」に技能実習を行う場合
    • 助成対象費用の区分ごとの基準により算定した合計額の3 / 5

※助成金額の()内の分数は、東日本大震災の被災地である福島県、岩手県、宮城県に適用される額です。
※また、これら技能実習を実施することで生産性が向上した場合、「生産性向上助成」を受けることが出来ます。

この助成金は、要件を満たすことで申請が出来て、「経費助成」やこの後にご紹介する「賃金助成」に上乗せすることが出来ます。詳細は、厚生労働省発行のパンフレットをご確認ください。

支給申請の手続き

支給申請をするには、最初に技能実習の計画届を届け出る必要があります。

必要書類と合わせて、その手順をご説明しましょう。

  1. 計画届の届け出
    • 提出期限:技能実習を実施する日の3か月前~1週間前
    • 提出先:受講者が属する事業所の所在地を管轄する都道府県労働局
    • 届け出の単位:雇用保険適用事業所ごと
    • 必要書類
      • 人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース(経費助成)(賃金助成))計画届(建設事業主用)(建技様式第1号)
      • 訓練内容等が確認できる書類(実施主体の概要、内容、実施期間、訓練カリキュラム、受講パンフレット 等)
      • 共同で実施する場合は、建設労働者技能実習事業費用分担計画書(建技様式第1号別紙3)
      • その他、管轄都道府県労働局長が必要と認める書類
      • 事業主自ら実習内容1番または5番を実施する場合、指導員・担当科目表(建技様式第1号別紙)
      • 事業主自ら実習内容1番または5番を実施する場合、指導員の職務経歴書 等
  2. 計画届の変更(変更がある場合のみ)
    • 提出期限:事前提出
    • 提出先:計画届を提出した労働局
    • 届出が必要な変更:実施日、実習内容、講習実施機関、実施場所
    • 必要書類
      • 人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース(経費助成)(賃金助成))変更届(建技様式第2号)
      • 変更内容が確認できる書類
  3. 支給申請書の提出
    • 提出期限:技能実習が終了した日の翌日から起算して2ヶ月以内
    • 提出先:計画届を提出した労働局
    • 必要書類
      • 人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース(経費助成・賃金助成・生産性向上助成))支給申請書(建技様式第3号)
      • 労働保険料概算・増加概算・確定保険料申告書(写し)または、労働保険料等納入通知書(写し)
      • 助成対象となる中小建設事業主又は建設事業主であることを確認できる書類(次のいずれか)
        • 建設業許可番号が記載された書類
        • 定款
        • 登記事項証明書(写し)
        • 資本及び労働者数が記載された書類
        • 事業内容を記載した書類 等
      • 受講者名簿及び人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース(経費助成・賃金助成))の助成金支給申請内訳書(建技様式第3号別紙1)
      • 所要費用の領収書(写し)
      • 賃金台帳(写し)
      • 就業規則(写し)、雇用契約書(写し)、受講者の所定労働日及び所定労働時間が判る書類(写し)
      • 出勤簿(写し)、タイムカード(写し)等訓練期間中の出席状況を確認するための書類
      • 実施日ごとの科目時間数が判るカリキュラム
      • 登録教数機関等が実施する訓練を受講させた場合
        • 技能実習委託契約書
        • 受講申込書(訓練名称、期間、受講料が明記されたもの)の写し
      • その他管轄都道府県労働局長が必要と認める書類
【事業主自ら技能実習を実施した場合の提出書類】
  • 所要経費の領収書の写し
    • 実習場所の借上料の領収書(使用年月日、1日の料金及び支払総額が明記されたもの)
    • 指導員謝金の領収書(実習の実施年月日、担当時間数、1時間当たりの謝金額、所得税の控除額、指導員の住所・氏名及び、支払総額が明記されたもの)
    • 指導員旅費の領収書(建技別様式第4号)
    • 建設機械の借上料の領収書(借上げた機械の名称、使用年月日、1日当たりの料金及び支払総額が明記されたもの)
    • 教材費、消耗品代の領収書(教材、消耗品等の品目、購入数量、単価、支払総額等が明記されたもの)

以上が、申請に必要な書類です。

結構準備する書類が多くて大変ですよね。これに、「生産性向上助成」の申請までしようとすると、その分の書類も準備する必要があります。

詳しくは、厚生労働省発行のパンフレットをご確認ください。

賃金助成

次は、「賃金助成」についてご紹介します。

こちらは、建築労働者に実技講習を受講させている間に支払った賃金に対する助成金です。

受給できるのは?

受給できる中小建設事業主は、先にご紹介した「経費助成」と同じです。中小建設事業主団体については支給対象となりません。

対象となるのは?

助成支給の対象となる実技講習、労働者については、「経費助成」で説明した通りです。

助成額

助成金の額は、以下の通りです。

  • 技能実習の開始日時点で企業全体の雇用する雇用保険被保険者数が20人以下の中小建設事業主
    • 技能実習を受講させた建設労働者1人につき、7,600円(日額)
  • 技能実習の開始日時点で企業全体の雇用する雇用保険被保険者数が21人以上の中小建設事業主
    • 技能実習を受講させた建設労働者1人につき、6,650円(日額)

つまり、日額 × 受講日数 = 1人当たりの賃金 となります。

この受講日数は1つの技能実習について20日が上限となり、また、1日の受講時間が3時間以上の日に限ります。

支給申請の手続き

支給申請の手順と必要書類は、先にご紹介した「経費助成」と同じです。

まとめ

「建設労働者技能実習コース」という助成金は、「建設事業主等に対する助成金」の1つです。

この内の「人材開発支援助成金」に含まれ、雇用している労働者や下請け企業の労働者などに対し、実技向上のための講習を受講させた場合に支給されるものです。

助成金を上手く活用して、社員の技術向上を図りましょう。

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