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中小建設業の人材不足はM&Aで解決できる?

M&Aと言うと事業拡大を目的に行われる買収と思う人が多いでしょう。しかし、最近は人材不足を解消する目的として実行する企業が増えています。

建設業界は職人の高齢化や若手職人の不足が問題となっており、特に中小建設業は大手よりも深刻な状況に陥っているケースが多いです。

そこで今回は、M&Aが人材不足の解消となるのか、成功事例や注意点についてご紹介しましょう。

中小建設業の人材不足はM&Aで解消できる!

結論から言うと、中小建設業の人材不足はM&Aで解消できます。

なぜなら、M&Aは対象となる企業を買収する戦略なので、買収先の従業員をそのまま受け入れることが可能だからです。そのため、不足していた人材を確保できるメリットが受けられます。

また、育成に時間をかけなくて良いことや後継者問題の解決になるといったメリットもあります。

時間をかけなくても経験豊富な人材を確保できる

一般的な採用活動では、即戦力となってもらうために人材の育成や研修が必要となります。つまり、一人前の人材へと育てるためには、ある程度の時間とコストをかけなければなりません。

しかし、同じ建設会社に対してM&Aを行えば、元々経験や知識が備わっている従業員を確保できます。

新人を一から育てるよりもコストと時間をかけず、戦力となる人材を得られるところがM&Aの大きなメリットです。

後継者問題の解決にもつながる

建設業界に限らず、経営者の高齢化が進んでいます。そうなると、問題となってくるのは後継者です。

経営者の多くは親族内承継を希望するものの、最近は身内で後継者を出さない選択肢を選ぶ企業もあります。しかし、建設業の後継者不在率は70%を超えており、深刻な状況です。

M&Aでも後継者がいないことを理由に譲渡を選択する企業が増加しています。高齢化など様々な理由で後継者が見つからない中小建設業にとって、M&Aは最善策と言えるでしょう。

M&Aで人材不足を解決できた成功事例

建設業界ではありませんが、人事不足を解消したM&Aの成功事例を一つご紹介します。

黒字経営が続いていた食品卸業Yは、事業の拡張に取り組むものの、成長に合わせて人材不足の問題が生じました。

当時は人材の採用や育成の知識が乏しく、多忙から時間的にも採用活動が厳しい現状でした。

そこで大手上場企業へ事業承継を行うことを選択し、自分は社長職に留まった状態で経験豊富な人材と買収元の採用・教育ノウハウを確保します。

同時に得意分野と地域の違いから相乗効果が生まれ、両社の事業拡張を成し遂げるという良い結果につながりました。

M&Aで人材不足を解決する際の注意点

成功事例からもM&Aでの人材不足解消は有効性があると言えますが、実行するにあたり注意点があります。

M&Aで人材不足を解消しようと考えている中小建設業は、次の3つのポイントを確認しておきましょう。

売る側の企業に若い社員・有資格者はいるかチェックする

売る側の企業を選ぶ際に、若い社員や有資格者が在籍しているかどうかをチェックしましょう。

例えば、退職が近い年齢層ばかりが多い企業だと一時的な人材補給はできても、将来抜けた数を補うために大規模な採用活動が必要になってくる可能性が高いです。

また、建設業有資格者の不足も問題となっています。資格取得をさせるにも育成や支援が必要となり、その手間を省いて即戦力になってもらうためにも、建設施行管理技士・土木施行管理・建設機械施工技師を持つ従業員の確認は欠かせません。

人材の受け入れ体制・最適な人材配置を考える

人材は増やせば良いというわけではなく、しっかり体制を整え、適切に配置することも事前に考えて確保しなければなりません。労働基準法で解雇には制約があるので定年退職までの長い目で見ることが大切です。

ビジネス環境が変化する速度や度合いは大きいものの、人材の構成や配置への対応が劣ると収益性は低くなり、不採算状態になる恐れがあります。

そうならないためにも、M&Aで組織統合した時に起きる人員配置の歪みは早いうちに解消しておきましょう。

人材だけでなく、経営状況にも目を向ける

事業規模の拡大も狙っているのであれば、経営状況にも目を向けましょう。

例えば、定期的に仕事を受けている建設・土木事業があれば、安定した売り上げを確保でき、事業拡大にもつながります。いざ市場が縮小した場合の対応もスムーズになります。

他にも自社とは異なる地域で事業を展開している場合、商圏を拡大させることも可能です。M&Aの実施で、人材不足の解消だけでなくどのようなシナジー効果が得られるかも確認しておきましょう。

まとめ

今回は中小建設業のM&Aについてご紹介しました。

建設業界ではノウハウの吸収や技術強化・生産性の向上など、様々なM&A成功事例があり、業界内でも盛んに行われています。上記で述べたように人材不足や後継者問題の解消にも有効です。

ただし、必ず成功するわけではないため、注意点を理解した上でM&Aを活用した経験豊富な人材の確保を目指しましょう。

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